誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになります!
※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【精神科医が教える】期待するほど失望が増える…人間関係がラクになる意外な方法とは?Photo: Adobe Stock

期待するほど失望が増える……
人間関係が楽になる意外な方法

今日は「期待されない自分になる」というテーマでお話ししたいと思います。

人間関係のトラブルの多くは、実は「期待」が原因になっていることが多いです。

無意識のうちに、もしくは意識的に相手に期待をしてしまうと、その期待が外れたときに怒りを覚えたり、「がっかりした」「残念だ」と感じたり、場合によっては「なんでそんなことするの?」といったいさかいが生じることがあります。

「この人のことが許せない」とか「苦手だ」と思う背景には、その人に対して何かしらの期待があった場合が多いのです。つまり、期待というのは人間関係において、あまりよいものではないのです。

息苦しさの原因は“期待される自分”にあった
“期待されない自分”が得られる幸せ

他人に期待しないことは大切ですが、それに加えて「期待されない自分でいること」も大事になります。

他人に期待されると、その枠の中で動かなければならないように囚われたり、息苦しくなったり、相手と素直に付き合えなくなったり、居心地が悪く感じることがあります。

なぜなら、自分自身が知らないうちに「期待に応えよう」と振る舞ってしまうからです。

期待されるほど疲れる
“任せてください”が危険な理由

たとえば、職場や学校で「なんでもできます」「任せてください」なんて最初から頑張りすぎると、周りの人にむやみに期待されがちです。

そうなると、その期待に応えようとするあまり、だんだん息苦しくなりがち。最終的には「もう無理」「疲れた」と精神的にダウンしてしまうことにもなりかねません。

これは、他人の期待に応えようと頑張りすぎた結果ともいえます。

馴染むだけで十分
新年度に頑張りすぎる人の危険サイン

新入生あるいは新社会人の生活がひと段落するゴールデンウイーク(GW)明けくらいに、不安や焦燥感、無気力などに陥る「5月病」。環境の変化についていけず、無気力になったり眠れなくなったりする症状が出るものです。

新しい環境に入った新年度の4月にハッスルしすぎて頑張りすぎると、周囲の期待度が上がってしまいます。するとGW明けには疲れてしまい、「もう無理……」と感じてしまうことがあるのです。

だから最初は「馴染むだけで十分」、最初から目立って「この人はできる」と思わせるよりも、地味にひっそりしていたほうが、むやみに自分を追い込むことになりません。

またあの人がやると思われる?
自分を守る賢い振る舞い方

さらにいうと、「期待されないように振る舞う」ことも大事です。

たとえば、飲み会の幹事など、いつも同じ人がやることがあります。その人は周りから「今回もやってくれるだろう」と期待されているから、結局引き受けざるを得ない状況になってしまうのです。

でも最初から「この人に任せても進まない」と思われていたら、他の誰かがやってくれることも多いのです。

これは完全に他人に甘えるという話ではありませんが、自分が周囲に「期待されすぎている」ように振る舞っていないか、一度振り返ってみるのもよいいかもしれません。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。