アメリカでベストセラーとなり、多くの絶賛の声を集めた『Master of Change 変わりつづける人――最新研究が実証する最強の生存戦略』がついに日本に上陸した。著者のブラッド・スタルバーグはマッキンゼー出身で、ウェルビーイング研究の第一人者。この本が指摘するのは、人生を消耗させる「思考の癖」だ。この記事では本書から特別に一部を抜粋して紹介する。

【心の専門家が警告】気づかぬうちに心が消耗してしまう人の正体、原因は意外な“思考のクセ”にあったPhoto: Adobe Stock

過度な期待を持つ人は、現実とのギャップで苦しみやすい

 人間の脳には予測マシンのような働きがあり、常に現実を予測しようとする。

 現実があなたの期待と合致しているか、期待よりわずかでも良ければ、気分が良くなってパフォーマンスも上がる。

 だが、予測が楽観的すぎると、期待と現実のギャップで気分が落ち込み、思考もネガティブになる。

 適切な期待を持つよう心がけ、不確かな時は保守的で慎重すぎるぐらいの予想がいいだろう。

現実に合わせて、期待をこまめにアップデートしよう

 欧米社会では常にバラ色のメガネで「ポジティブに考えるべきだ」という社会的な圧力がある。

 だが、現実的な期待──物事は絶えず変化するし、良くなる時もあれば、悪くなる時もあるという想定──を持つほうが、気分が良いしうまくいく。

 予期せぬ変化が起きた場合は、できるだけ現実をありのままに見て、期待を適切にアップデートしよう。

 古い期待に固執すればするほど、気分が落ち込み、目の前の現実に取り組むために使えたはずの時間やエネルギーを浪費することになるだろう。

※本稿は『Master of Change 変わりつづける人』の内容を一部抜粋・編集したものです。