「散歩番組」でも、偶然映り込んだ通行人の顔によくモザイクがかかっています。
「人気タレントのランキング」のようなものを紹介するときは、タレントの写真を使わず「似顔絵」だの「写真を加工して似顔絵ふうにしたもの」を使う。
これはプライバシーより「肖像権」と、カメラマンの「著作権」への配慮でしょうが。許可をとるのがめんどう、許可がとれても費用がかかるから「無難にイラスト」にしているわけですが、これも不自然だなあ、と思うことが多い。
映り込みにまで
徹底される自主規制
「スポンサーへの配慮」でボカされるものもたくさんあります。
NHKの場合は受信料で番組をつくっているのでスポンサーに配慮する必要はないのですが、むしろ「特定の企業や商品の紹介にならないように」という点にものすごく神経質です。
これは昔も今もほとんど変わらない気がします。
子ども向けの番組で「牛乳パックでおもちゃをつくって遊ぼう」という場合なら、もちろん牛乳パックには白いテープが貼られてどのメーカーのものかわからないようになっているし、ニュース番組で企業を取材してインタビューをしていても、その企業が事件などの当事者である場合以外は、テロップにも原稿にも企業の名前は原則的に出しません。
「サントリーの社員」に社内で取材しているのに、「酒造メーカー社員」とされます。でも、背景に社名のポスターが映り込んでいたり、胸に社員証がついていたり、ということはよくあって、そこまでは許容範囲のようです。
NHKの場合は特殊な配慮ですが、民放の「スポンサーへの配慮」のほうが、ずっと神経質です。
たまたま取材中に映り込んだテレビ画面やポスターなどまでボカしてます。飲食店の中でお客さんに話を聞いているような場面で、客の背後の壁にポスターが映り込むことがあると、ごていねいにモザイクがかけられています。
たぶん隠されているのはビールのポスターあたりなのでしょう。番組スポンサーがサントリーなのに、キリンのポスターを写しては、大事なスポンサーがお怒りになる、という配慮らしい。
テーブルの上のペットボトルも缶ビールのラベルもモザイク。
こうしたことは、別に番組スポンサーから言われてやっているわけではないことのほうが多いと言います。