名刺交換後で「感じのいい人」だけが欠かさず見ている、3つのポイントとは?
それを語るのは、「感じのいい人」に生まれ変われるとっておきのコツを紹介する書籍『気づかいの壁』の著者・川原礼子さんです。職場で困っている人を見かけても、「おせっかいだったらどうしよう…」と躊躇したり、「たぶん大丈夫だろう…!」と自分に言い訳したり……。気づかいをするときには、つい「心の壁」が現れてしまい、なかなか一歩が踏み出せないことが、あなたにもあるのではないでしょうか? この連載では、「顧客ロイヤルティ」をベースに、ビジネスセミナーへの登壇やコミュニケーションスキルの研修講師を通して、全国200社・2万人以上のビジネスパーソンに向けて教えてきたノウハウを、さらにわかりやすくお伝えします。本稿では、本書には入りきらなかった「気づかいのコツ」について紹介しましょう。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

名刺交換後で「感じのいい人」だけが欠かさず見ている、3つのポイントとは?Photo: Adobe Stock

名刺交換で何を話せばいいの?

 中堅社員向けに研修をすると、思った以上に「名刺交換の方法を知らない」という参加者がいます。

 とくに内勤が多かったり、リモートワークなど外部の方と接触機会が少ない方は、

「新入社員研修で学んだけれど、すっかり忘れてしまった」
「名刺交換を終えた後は、何を話せばいいの?」

 と悩む方が多い傾向にあります。

 そんなお悩みには、相手の名刺に書かれている情報を利用した、3つの質問をご紹介しています。

「なーんだ」と思うくらい簡単なことなので、さっそく取り入れてみてくださいね。

1. 部署の業務内容について質問する

 相手の部署名を見て、「どんなことをしているのか?」と興味を持つと、会話がスムーズになります。

「〇〇部にいらっしゃるんですね! 具体的にはどんなお仕事を担当されているのですか?」
「〇〇企画部ということは、新しいプロジェクトなどを動かされているんですか?」

 特に、「〇〇部」と書かれていても業務内容がすぐに分からない場合は、「専門的なことをされていそうですが、どのようなことを担当されているのですか?」と聞くと、相手は話しやすくなります。

 商談の場であれば、そのまま自然に本題に進ませることもできるでしょう。

2. 肩書きについて興味を示す

 名刺には「課長」「マネージャー」「エグゼクティブ」などの肩書きが書かれていますが、役職だけではどんな仕事をしているのか分からないこともあります。

「〇〇という肩書き、ステキですね! 具体的にはどんなことをされているんですか?」
「〇〇(肩書き)でいらっしゃるんですね。どんな業務が中心なんですか?」

 例えば、「コンサルタント」や「アドバイザー」と書かれている名刺であれば、「どんな分野を担当されているんですか?」と聞くと、より深い話につながります。

3. 苗字の地域性について触れる

 苗字が珍しい場合や、読み方が難しい場合、それを話題にすると自然な会話が生まれます。

「〇〇というお名前、珍しいですね! どちらの地域に多いんですか?」
「このお名前、初めてお会いしました! 何か由来があるんですか?」

 相手が「〇〇地方によくある名字なんですよ」と答えたら、「実は私、〇〇に行ったことがあって…」と続けることで、話が広がることもあります。

 お相手の名刺には、話題が詰まっています。

 いずれも、その場の雰囲気をよくする話題ばかりですから、次に名刺交換をするときに、思い出してみてくださいね。

(本記事は、『気づかいの壁』の著者・川原礼子氏が書き下ろしたものです。)

川原礼子(かわはら・れいこ)
株式会社シーストーリーズ 代表取締役
元・株式会社リクルートCS推進室教育チームリーダー
高校卒業後、カリフォルニア州College of Marinに留学。その後、米国で永住権を取得し、カリフォルニア州バークレー・コンコードで寿司店の女将を8年経験。
2005年、株式会社リクルート入社。CS推進室でクレーム対応を中心に電話・メール対応、責任者対応を経験後、教育チームリーダーを歴任。年間100回を超える社員研修および取引先向けの研修・セミナー登壇を経験後独立。株式会社シーストーリーズ(C-Stories)を設立し、クチコミとご紹介だけで情報サービス会社・旅行会社などと年間契約を結ぶほか、食品会社・教育サービス会社・IT企業・旅館など、多業種にわたるリピーター企業を中心に“関係性構築”を目的とした顧客コミュニケーション指導およびリーダー・社内トレーナーの育成に従事。コンサルタント・講師として活動中。『気づかいの壁』(ダイヤモンド社)が初の著書となる。