「医者の子どもなんだから医学部に行きなさい」など、子育てにおいて親が子どもの意思に反したラベリングをすると、その子のモチベーションを失わせる結果にもなりかねません。
「ラベリング効果」を良い方向に使っていけば、本人の意識や振る舞いを前向きな方向に誘導できます。逆に、ネガティブなものは意識や振る舞いに悪影響を与えてしまうので、要注意です。
例えば、こんな使い方がおすすめです。
・「メンバーをうまくまとめられたね」→「まさにリーダーだね」
・「自分で言ったことをきちんとやっているね」→「いつも有言実行だね」
左右で同じことを言っているように見えるかもしれませんが、相手の行動に焦点を当ててポジティブな言葉を使うのは前提として、「動詞ではなく名詞を使う」ところがポイントです。
「宿題ができた」ではなく「宿題王」と名詞にすると、明快なラベルになります。
相手を注意したいときも、その内容を「ポジティブ転換」して行動を促していく手法が使えます。
・「仕事が遅い」→「仕事が丁寧だね」
・「結果が出るのが遅い」→「大器晩成だね」
こう呼びかければ、それとなく注意をしながらも、相手の良いところを褒めているように受け止められるのです。
ラベリングを使いこなすための
2つの重要ポイントとは
「ラベリング効果」は多くのコミュニケーションシーンで応用できます。
会社の人間関係であれば、ちょっとした動きや特徴をポジティブに捉えて、例えば「アイディアマンだね」「資料づくり名人だね」「プレゼンのプロだね」などとポジティブなラベルを貼ってあげることで、良い関係を保ちながら、相手を育てていくことができるでしょう。
子育てならば、実験の例のように「あなたはお手伝いができる子だね」「算数が得意な子だね」「優しい子だね」などとラベリングしていくことで、子どもが自分自身をそういう人間だと思い、良い方向に成長できるよう影響を与えられる可能性があります。