昼間に公園やモールでたむろ
不登校のクルド人生徒たちの今
機微に触れる情報は得られなかったが、不登校件数は増加傾向にあるという。平日昼間に不登校のクルド人生徒たちが、公園やショッピングモールでたむろしている、中学生なのに解体の仕事についているという情報は、教育委員会も把握している。その情報を学校に伝え、家庭訪問を強化するなどの対応も行っている。
日本語教育の重要性についてはつとに認識されており、川口市には「日本語指導教員」55人が、外国人生徒が多い市内45校(全市立小中学校数80校)に配属されている。指導教員がいない学校には、教育委員会から4人の「日本語指導支援員」を派遣している。
ただ、市が支援できる外国人の子供は、入学を希望し学籍を持つ生徒だけである。2024年4月に運用が見直され、仮放免者の情報が自治体に伝えられることになったため、学童期の子供をより容易に把握できるようになった。未就学の子供についても行政として何かできるのか、取り組み始めたところだという。
川口に在住するクルド人の多くは世俗的であり、原理主義的なイスラム教徒との間で起こる問題は今のところないようだ。学校給食にハラル(イスラム教の教えに則った食品)を求める動きもなく、弁当を持参するなど個々の家庭に対応を任せている。
「親についてきただけ」?
クルド人が来日する理由
川口、蕨市のクルド人は春の訪れを祝う祭「ネウロズ」を、当地に住み始めた1990年代から開いており、近年はさいたま市の荒川河川敷にある埼玉県営秋ヶ瀬公園を会場にしている。
2023年3月21日に行われたネウロズは、コロナ禍のため4年ぶりの開催だった。会場で日本語を流暢に話す、民族衣装で着飾ったクルド人女性のグループに話を聞いた。2人が大学生、1人は高校生だった。
「若い人が何を考えているか、興味がある」
と話しかけると、