2回目は2023年9月1日で、不法行為を行う外国人に対し強制送還など厳格に対処することなどを求める3項目からなる要望を斎藤健法相に行った。
川口市内のクルド人の犯罪、迷惑行為への批判が強くなってきたことを受けて、180度姿勢を転換したように見えるが、2回目の要望書の第2、第3項では、「仮放免者が、市中において最低限の生活維持ができるよう『監理措置』制度(編集部注:監理人による監理の下、逃亡等を防止しつつ、相当期間にわたり、社会内での生活を許容しながら、収容しないで退去強制手続を進める措置)と同様に、就労を可能とする制度を構築」することと、「生活維持が困難な仮放免者、および監理措置に付される者について、『入国管理』制度の一環として、健康保険やその他の行政サービスについて、国からの援助措置を含め、国の責任において適否を判断」することを求めている。

三好範英 著
2回目の要望は、基本的に1回目の要望に「厳格な対処」を求める第1項を加えただけだった。しかも、要望書の原案ではこの第1項は第3項だった。
現状でそうした陳情を行えば世論の強い反発を招く、と関係者が市長に進言した結果、1週間前に順番を入れ替えたという。
川口市の仮放免者だけを特別扱いすることはできないし、もし全国的に仮放免者の就労を認めろという趣旨ならば、難民申請を繰り返すなどの手段で不法残留する外国人の増加の誘因になる。
2010年に正規在留者が難民申請した場合、申請6カ月後の就労を一律に認めたことが、申請者の急増につながった前例もある。
奥ノ木市長の多文化共生への甘い見通しも事態を悪化させている一因ではないか。