だがセラヴィグループもまた、親会社の運営する名古屋市内の商業施設などの不振の影響もあり経営不振が続き、2008年5月、セラヴィリゾート株式会社、セラヴィリゾート泉郷株式会社ともに会社更生法が適用された。
会社更生法適用後、同社が販売した他エリアの区分所有型ホテルの運営事業は他企業に売却されている。
ところが、すでにスキーブームが去って久しかった苗場泉郷ホテルについては、手を挙げる企業が結局見つからないまま、ただ泉郷が運営から撤退したというだけの結果となってしまった。
窓ガラスは割れて風雨が吹き込み
外壁のタイルは剥がれ落ちた
それから16年、苗場泉郷ホテルは、越後湯沢駅周辺よりさらに厳しい気候条件である苗場の地において、まったく再開の目処も立たないまま放置され続けている。もちろん客室の区分所有権は閉業前からのオーナーが保有したままである。
地元関係者によれば、ホテルの閉鎖後も一応建物管理者は存在していたとのことなのだが(それも23年の取材時より数年前の話とのこと)、少なくとも現地の建物を見る限り、その管理者の連絡先や存在を示すものは何もない。
建物には今も泉郷の銘板が残されているだけで、試しに客室の登記を見てみたが、当然オーナーの住所氏名が記されているだけで、管理組合の連絡先は判明しない。
果たして区分所有法に則った管理組合の運営が行われているのかすら不明なのだが、率直に言って建物外観を見る限り、現状維持のための適切な管理が行われているとはとても思えず、老朽化が進んでいる模様が見て取れる。
湯沢町によれば、数年前より2階部分の外壁に使われているタイルが経年劣化により剥がれ落ちて、建物脇の歩道にその破片が散乱する事態が続いているとのことであった。役場の指導により、前述の管理者によって事故防止のためのフェンスが設置されたが、建物の補修が行われている気配はない。
