なぜならAさんは、「パーパス」を明確にしていたから。
パーパスとは、目的、意図のこと。なぜそれを行うのかという志を表します。
パーパスが明確でないのにやみくもに苦労しても、目指すところには到達できません。Aさんが言う、買わなくてもいい苦労とは、そういうもののことです。
Aさんが掲げていたパーパスは、読者が本当に読みたい雑誌を作ること。
編集部が作りたいものと読者が読みたいものが一致するとは限らない。ならば読者が読みたいものを読者自身に作ってもらえばいいという発想だったのです。
パーパスが明確なら、ムダな苦労などせず、楽に早く、ゴールにたどり着けます。
苦手なことやできないことは人に任せるべし
人の意見に耳を貸さずに
自らを貫いた成功者たち
独特の歌いまわしが特徴の歌手がいます。その歌い方こそが最大の個性なのですが、実はデビューの際、スタッフから「万人受けするように歌いなさい」と言われていたとか。でも、「歌い方を変えたら私じゃない」と、彼女はその意見を断固拒否しました。
また、ある演奏家は、革新的な楽曲を作ることで、それまでの伝統を打ち破ろうとしていました。しかし、クラシカルな演奏こそが大衆には受けるからと、周囲は斬新なアイデアを受け入れようとしませんでした。
それでも彼は、「芸術家がやりたいことを曲げ、迎合したものを作るなんて、芸術じゃない」と意思を曲げなかったのです。
ふたりとも、大切なはずのスタッフの意見を聞きませんでした。それは自己中心的な行為でもあり、失敗したらそのスタッフに迷惑をかけることにもなります。でも彼らは、反対を押し切ってレコーディングしてしまったのです。
結果、周囲の予想を裏切り、見事に大ヒット!
今では唯一無二の存在として、日本だけでなく、海外でも大活躍中です。
人の意見に耳を傾けなかったふたりが成功したのは、「自己認識力」が高いから。
自己認識力とは、自分の性格や能力、思考、感情などを客観的に理解し、それを受け入れる力のこと。この力が高まると、自分の強みが何かもわかるので、思い切って強みや個性で勝負ができます。
自己認識力を高めるには、まずは人から褒められたことをリストアップしてみてください。