そして、周りの人たちがどのように接し、どのような言葉をかけたらいいのか、あるいは本人がどう意識づけをし、どのような行動習慣を取り入れたらいいのかは、8つのタイプそれぞれで異なります。

(編集部注/筆者は以下8つの脳タイプを紹介している)

(1)「リーダータイプ」――周りに広く目配りができ、人を引き付ける力を持つ
(2)「論理タイプ」――記憶力がよく、理詰めで考える
(3)「クリエイティブタイプ」――好奇心が強く、何かを「好きになる力」が高い
(4)「癒やしタイプ」――周囲の状況、人に対する感受性が強い
(5)「バランスタイプ」――脳の変化の振り幅が一番大きい
(6)「フレンドリータイプ」――天然のポジティブ思考と協調性で友達が多い
(7)「多動タイプ」――経験値が溜まりやすく、物事を極めやすい
(8)「エキスパートタイプ」――特定のことに対する好奇心が強い

 だからこそ、才能を伸ばすためには、まず「我が子は(もしくは自分自身は)どの脳タイプに該当するのか」を知ることが欠かせないのです。

 しかも、脳の変化は数年単位で起こるものではありません。実は1年のうち、もっと言えば数週間のうちに何度も変わりうるのが子どもの脳です。接し方や言葉がけを意識すると、その変化はより強まる可能性があります。

 また、8つのタイプはくっきり分かれているわけではなく、グラデーションになっています。脳特性診断テストで、「もっともスコアが高かったのはリーダータイプだけど、論理タイプのスコアもけっこう高かった」といった結果になる場合もあるでしょう。

脳番地を鍛えれば人は変わる
好きだけど苦手なことを諦めないで

 人には「得意」「苦手」もあれば「好き」「嫌い」もあります。「得意」と「好き」がマッチすれば何よりですが、中には、「好きだけど、できないこと」もあります。

 では、「好きだけど、できないこと」は、「脳の特性として向いていないから」と諦めさせたほうがいいのでしょうか?私はそうは考えていません。

 そもそも、何かに「向いている脳」というものがあるわけではなく、その何かを「上手にするために必要な働き」がいくつかあるだけです。

 ということは、その働きを持つ脳細胞が集まっている脳番地を鍛えれば、上手にできるようになる。「好きだけど、できない」ことを、狙って「できる」ように持っていくことは十分可能なのです。

 たとえば、たいていの人が「文章を書くこと」はできます。「話すこと」はできます。

 その中で「ライター」になる人、ならない人、「アナウンサー」になる人、ならない人に分かれるのは、自分が何を望み、いかに脳の複合的な仕組みを作ってきたかによります。

 つまり、「文章を書く」という能力が鍛えられるよう、脳の複合的な仕組みを作ってきた人が「ライター」になります。「話す」という能力が鍛えられるよう、脳の複合的な仕組みを作ってきた人が「アナウンサー」になるわけです。