人々のエンパワーメントを目指す団体の「ウィー・シェイプ・ライフ」は、引き寄せのメソッドを7つの簡単なステップで説明しています。

1 5分から10分の瞑想で精神をリラックスさせる。
2 欲しいものを具体的に想像する。細部まで鮮明に思い描く。ここでは一切、疑いの気持ちを持ってはいけない。
3 欲しいものを届けてくださいと宇宙にお願いする。
4 自分の望みを紙に書き、それが実現したと想像する。
5 望みが実現するのを感じる。すでに実現したかのように考え、話し、行動する。
6 宇宙が届けてくれたすべての祝福を記録し、それらに感謝する。
7 宇宙を信じ、辛抱強く待つ。

 この一連のプロセスについてどう思うかはあなたの自由です。疑り深い人であれば、視覚化、ポジティブなアファメーションといった方法に、あまり効果があるとは思えないでしょう。

 とはいえ、この種の方法にもある一定の効果があることはわかっています。

「引き寄せの法則」は
エセ科学なのか?

 ここでの問題は、引き寄せの法則の正しさを証明するたしかなエビデンスは存在するのかということ。

 引き寄せの法則は科学的に正しく、実際に人生を向上させる効果があるのでしょうか?それともこれは、単に自己啓発の仮面をかぶったエセ科学なのでしょうか?

 1999年、カリフォルニア大学のリエン・ファムとシェリー・テイラーが、引き寄せの法則には本当に言われているような効果があるのかたしかめようとしました。

 2人が研究の対象にしたのは、引き寄せの法則の教義そのものではなく、引き寄せの法則を実践する方法とされている「ファンタスティカル・シンキング」です。

 ファンタスティカル・シンキングとは、ポジティブな内容のファンタジーを夢想することで、外側の世界に直接的な影響を与えることを目指す手法です。もうおわかりのように、これは臭い靴下をはいていればカジノで勝てるという思い込みと大差ありません。

 それでも2人は、研究によって効果の有無を証明することにしました。まず、研究に参加した学生を3つのグループに分けます。

・グループ1:毎日数分間、数日後に迫った重要な中間試験でいい成績を取り、いい気分になっている自分を視覚化する。

・グループ2:毎日数分間、いつ、どこで、どうやって実際に試験勉強を行うかを視覚化する。

・グループ3:これは統制群であり、試験について何かを視覚化するような指示を出されていない。