日本政府観光局(JNTO)によると、2024年の年間訪日外国人客数は、12月までの累計で、3686万9900人と過去最高を記録しています。2023年4月の「水際措置撤廃」以降、訪日外国人客数は右肩上がりで回復しています。

図表1:訪日外国人客数の推移同書より転載
拡大画像表示

 訪日外国人客数は2014年前後から急速に増え始め、2016年には2000万人の大台を、2018年には3000万人の大台を突破しました。2012年が840万人程度だったことを考えると、驚異的な増加率です。

 ご存じのように、2020年には新型コロナによって約410万人にまで激減し、その状況は2022年まで続きましたが、前述の「水際措置撤廃」以降、コロナ前の水準に戻りました。単月では、2023年10月に初めてコロナ前の2019年10月に比べて100%を突破。年間の累計でも、2019年比で78.6%、8割程度まで回復が進みました。

 この勢いが続き、2024年は過去最高となりました。2025年はさらに増える見込みです。

訪日外国人客が渡航先として
日本を選びやすくなった理由

 コロナ後の経済活動の回復に加えて、「円安」が外国人観光客を呼び込む一因になっています。2025年1月現在、ドル/円相場の水準は1ドル=155円近辺で推移していますが(一時1ドル=160円もありました)、2019年はおおむね110円前後でした。2019年の水準からは、依然として4割程度、円安に振れているわけです。