ユーモアは紳士の嗜みである

渋澤 信頼関係を築くコツは相手に関心を持つことだと私は思います。国籍が違っても中身は同じ人間です。笑いのツボを押されれば笑うし、悲しいときは泣くし、感動もする。そして、もちろん、怒ります。そこを忘れたら信頼関係は築けないんじゃないかなと思うんですよ。

 おっしゃるとおりです。

渋澤 日本人は1対1で向き合っているときはとてもセンス・オブ・ユーモアで味わいがあり、日本人を好きになる外国人は少なくないんですけどね。

 私はシェル石油というイギリス系の会社に10年いましたから実感があるのですが、イギリス人は本当にユーモアを重要視しますよね。「He has a sense of humour」と言うと、「あいつは紳士」だという評価になりますが、「He has a no sense of humour」というと「あいつは田舎者だ」という意味でバカにされる。

 日本人はとても真面目だから、会議中に冗談をはさむと「冗談じゃない、ふさげている!」とお叱りを受けることがあります。私にとってはそれこそ冗談じゃない!という話です。

 アメリカ人だってイギリス人だって生まれた時から冗談が得意だったわけじゃない。コミュニケーション能力と同じで、必死になってユーモアのセンスを磨き、ツールとして使っています。そのツールがビジネスの場で活かされてこそ、信頼関係が築けるのは間違いないんですけど、そこがどうも理解されにくいから私の冗談もなかなかウケなくて困ったものです(笑)。

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 海外に参入するためのグローバル化ではなく、国内外に関係なく力を発揮できる日本人になるために。後半では世界に誇れる日本人の長所。その長所を武器にどうグローバルに展開すればいいのかについて意見を交えます。

 次回は、8月19日に更新を予定しています。


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