慶應の学問は「教養レベル」
現役生から見た大学の実態
『大学図鑑!』が初めて出版されたのは、1999年のことでした。以来、年刊本として毎春刊行され、今春発行された2015年度版は16冊目になります。本書で取り上げている大学79校は、関東私大Aグループ、関東私大Bグループ、関東私大Cグループ、関東私大Dグループ、関東私大Eグループ、関東女子大グループ、関西私大グループ、国公立大学グループ(東日本編)、国公立大学グループ(西日本編)の9グループのどこかに分類され、グループごとに作成された冒頭のマップが各大学の「立ち位置」や「階層観」を表現しています。
取材スタッフが大学キャンパスに直接足を運び、そこで在学生から「生の声」を聞かせてもらう。この本の大学案内ページ内容はそうした取材の集積結果です。アンケートや各種資料も活用していますが、16年間、一貫して、「生の声」に重きを置いてきました。
もちろん、同じ大学の学生でも人それぞれです。自校についての意見もいろいろです。でも、たくさんの「生の声」に耳を傾けていると、「ああ、このキャンパスで感じる独特の空気は、そういうことか」とわかってくるものです。
その「空気」を受験生や保護者の方々に、できるかぎりそのままお届けする――。それが『大学図鑑!』の役割だと思っています。(3ページ)
関東私大Aグループに分類されている早稲田と慶應義塾の在学生の「生の声」は、たとえばこんな具合――。
「目的意識がないと勉強は続かない。逆に目的意識があれば熱意のある優秀な教授が多くおすすめです」(政経学部生)「田舎から出てくる人にやさしい大学。ただ、就職に有利な大学を選びたいならおすすめはしない」(商学部生)……以上、早大生(39ページ)
「驚くほどのダメ人間にも意識の高い学生にもいくらでも出会える、社会勉強には最適の大学。しかし文系学部の学問は教養レベルと心得るべき」(法学部生)「SFCは慶應ではない。高度な自己管理能力と目標意識と自律が求められる。高い志を持って真剣に遊び、真剣に勉強できる人にはおすすめ。適当にのんびりと過ごしたいのならば、都心に近い大学に行く方が絶対に幸せ」(環境情報学部生)……以上、慶大生(53~54ページ)