事業計画書といえば、何十枚にも及ぶ書類を作成しなければいけないと思われがちだが、そんなことはない。起業して資金を調達するための事業計画書はもっと簡素でいいのだ。日本政策金融公庫に26年間勤務し、5000人以上の創業融資に携わってきた上野光夫氏が、起業のための事業計画書のポイントを紹介する。
事業計画書に記入するのは、この8項目!
融資を受けるための事業計画書の例として、日本政策金融公庫の「創業計画書」を見てみると、次の8項目について記入する様式になっています。
1 創業の動機
2 経営者の略歴等
3 取扱商品・サービス
4 取引先・取引関係等
5 従業員
6 お借入の状況
7 必要な資金と調達方法
8 事業の見通し
この様式は、私が昭和60年に当時の国民金融公庫に入った頃から、ほとんど変わっていません。「開業計画書」だったのが「創業計画書」になったほか、細かい部分が少し変更された程度です。なんと30年以上という長期にわたって使われている様式なのです。
もし、この創業計画書の様式を使って不良債権が増えるようなことがあれば、内容を大幅に見直す必要があるでしょう。でも、まるでロングセラー商品のように長く使い続けられているということは、とくに問題が発生していないことを物語っています。
つまり、日本政策金融公庫では、この様式の創業計画書が創業融資の審査をする資料として最適だと考えられているわけです。