『ファンをはぐくみ事業を成長させる「コミュニティ」づくりの教科書』の発売に合わせて、コミュニティ運営者などが集まるオープンコミュニティ「河原あず・藤田祐司のコミュつく!」がスタートしました。同時に毎週火曜夜9時~10時には、生配信オンラインイベント「コミュつく!」をシリーズ開催しています。本連載ではその内容を紹介。「コミュつく!」2回目のゲストとして登場したのは『複業の教科書』の著者であり複業研究家として、働き方改革などのコンサルティングを行う西村創一朗さん。長くコミュニティづくりに携わってきた西村さんは、コミュニティを盛り上げるには「加熱」と「保温」を繰り返すことが大切と説く。どういうことでしょうか。今回はその前編。

「保温」と「加熱」でコミュニティを盛り上げろ!『ファンをはぐくみ事業を成長させる「コミュニティ」づくりの教科書』著者の藤田祐司氏(上左』と河原あず氏(上右)、複業研究家の西村創一朗氏(下中央)

藤田祐司さん(以下、藤田):キーパーソンのコミュニティ運営について語るオンラインイベント「コミュつく!」。2回目に登場いただくのは、複業研究家の西村創一朗さんです。

西村創一朗さん(以下、西村):HARES」の西村創一朗です。複業研究家として「複業」という新しい働き方を企業や個人に広める活動をしています。企業の解禁のコンサルティング、副業の学校などを展開しながら、一方では人事採用のコンサルティングなども実施しています。

 僕の活動はこれまで、コミュニティづくりと切っても切れませんでした。リクルートの社員だった時代には、新規事業として立ち上げたサービスを広めるために、フェイスブックグループで人事担当者向けのコミュニティをつくっていました。

 当時はまだ、「コミュニティマーケティング」という言葉もない時代。かなり先駆けた取り組みだったと自負しています。

 現在も、完全招待制で「複業」を実践するためのコミュニティを運用していたりするなど、いくつものコミュニティを運営しています。仕事でもプライベートでも、僕の中心にはいつも、コミュニティづくりがありました。ですから今回、このような場所に呼んでいただけてとてもうれしいです。

藤田:長くコミュニティづくりに携わってきた西村さんがご覧になって、僕たちの新刊『ファンをはぐくみ事業を成長させる「コミュニティ」づくりの教科書』はいかがでしたか?

西村:「ここまで赤裸々に言ってもいいの?」と思うくらい、実践的なノウハウが詰まっていました。「コミュニティづくりの教科書」というタイトルの通り、経験のない人でもこの本の通りに着実に一つひとつやっていけば失敗せずに始められる。非常に分かりやすい本でした。

 コミュニティづくりは農作業のようなもので、芽が出るまでには時間がかかります。けれど、本書の通りにやっていけば確実に芽が出て実る。そう思えます。

藤田:僕はこれまで、Peatixで多くの企業のコミュニティづくりの相談に乗ってきました。みなさん、ある日突然、「コミュニティをつくってくれ」と言われて、戸惑いながらスタートしているんです。そして多くの人が、ひとまずイベントを開催すればいいのかな、とコミュニティをつくっていきます。ただ本書で書いた通り、イベントはコミュニティをつくるための手段でしかなくて、目的ではありません。

河原あずさん(以下、河原):私のところにも、イベントを開催したいという人の相談が多くて、「何のためにイベントをするんですか?」と聞くと、なかなか答えられない人も多いんです。それでは、たとえイベントを開催してもぼんやりしたものになってしまいますよね。