井手ゆきえ
第135回
新腫瘍マーカーとなるか?アディポネクチンとがん
アディポネクチン(以下、アディポ)をご存じだろうか。脂肪細胞が分泌するホルモンで筋骨格での糖消費を促進し、インスリン抵抗性を改善するなど抗糖尿病、抗動脈硬化に働く「善玉ホルモン」として知られている。ここ数年は抗がん作用が注目されている。

第134回
1日卵3個が効果的!?コレステ食品の汚名返上か
コレステロール含有量が高い、として脂質異常症患者は「避けるよう」指導されてきた卵。1日1個までと制限されている方も多かろう。ところがある雑誌に載った研究によれば、メタボリック症候群患者の減量食に全卵を加えると、脂質バランスが改善され、インスリン抵抗性が改善されたというのである。

第133回
非力でも、肥満でも前途多難…10代の筋力で寿命が決まる?
青少年の肥満に警鐘を鳴らす研究報告は数々あるが、どうやら「非力」も早死にリスクを高めるらしい。英国医学誌「BMJ」に掲載されたスウェーデンはカロリンスカヤ大学の研究から。

第132回
胃がんを自腹で予防する成功率が高いピロリ除菌療法は?
胃がん発症要因の一つと見なされているヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)。最近は一般にも認識が広まり、除菌療法を受ける人が増えてきた。ところが、ピロリ菌も並行して抗菌薬に対する「耐性」を獲得。除菌失敗例が増えつつある。

第131回
術後の食事に配慮が必要高糖質食は大腸がん再発と関連
最近なにかと旗色が悪い糖質だが、先月、大腸がんの再発と糖質との関連を示すデータが報告された。

第130回
甘いもの、塩辛いもの、脂質etc.寝不足は不健康な食事を誘発
寝不足の身体は不健康な食事を渇望するらしい。研究では、レム睡眠が短いほど空腹感が増し、カロリー摂取量が多くなる傾向が示された。つまり、睡眠不足は「腹が減る」というわけ。

第129回
日本人の喫煙習慣と寿命 死亡率は2倍、命は10年短縮
どうやら日本人でも喫煙習慣で平均10年は寿命が縮むようだ。この数年、日本人のタバコ離れは急速に進み、全男性の喫煙率は35%を割り込んだ。ただし、それを牽引しているのは家計と健康を気にする高齢者である。

第128回
生活習慣が子孫繁栄のカギ?高品質の精子は適度な運動から
欧州の応用生理学の専門誌に報告された研究によると、適度な運動習慣がある男性の精子は高品質らしい。また、精子形成に必要なホルモンバランスも、運動習慣がある男性では良好に保たれていた。

第127回
おなかの健康、だけではありません。腸内細菌で肥満や脳・神経疾患予防
ビフィズス菌、乳酸菌といえば、おなかの健康を保つ「善玉」腸内細菌の代表格。これまでも腸内細菌叢の勢力図が免疫系や代謝機能に影響することは知られていたが、個々の培養が難しく詳細な研究は遅れていた。しかし、「次世代シーケンサー」の登場で俄然、研究が進み始めた。

第126回
妊娠高血圧にご用心子供の認知機能に影響?
妊娠高血圧をご存じだろうか。高齢出産が当たり前の昨今、男性陣にも知ってほしい知識の一つだ。一昔前まで「妊娠中毒症」と呼ばれていたもの。原因はいまだに不明である。

第125回
健康でハットトリック!!降圧、減量、心拍安定の3得点
サッカーシーズンたけなわで夜ごと寝不足のアナタ。どうせ熱狂するなら自分もフィールドに出よう。先月、米国スポーツ医学会の機関誌に報告されたデンマークの研究によると、1週間に2時間のサッカートレーニングを半年続けた結果、血圧改善と減量プラスアルファの効果を達成したのだ。

第124回
高血圧型からメタボ型へ若年層の脳卒中が増えている
秋の健診シーズンもそろそろ終盤へ。中高年男性が予防したい疾患の筆頭は心筋梗塞と脳卒中。脳卒中に関してはどこかに「お年寄りの病気」という気持ちがある。ところが、米国神経学会誌に報告された調査研究によると、近年、脳卒中の発症が若年齢化しているというのだ。

第123回
代表的な降圧剤+αの効果!?米ぬか・ゴマ油で血圧と脂質が改善
高血圧は降圧剤、高コレステロールは脂質異常症治療薬と、検診で黄色信号がともるたびに増える薬。治療薬はターゲットを絞り込んで開発されるのだから、当然ではある。その点、生活習慣や食習慣改善の波及効果は大きい。

第122回
思春期の「腹痛」がカギ?うつ病発症を予測する身体症状
成人後のメンタルヘルスは思春期の身体症状から予測できるかもしれない。スウェーデンでの調査研究から。

第121回
高脂肪食で肥満を制す!?時間厳守で代謝リズムを改善
糖質制限だ、いや低カロリー食だと新説が出るたびに「結局、何を食べればいいの?」と頭を抱えるダイエット。献立がころころ変わるご家庭もあるだろう。ところが、ヘブライ大学の研究によると献立を変えずに体重やコレステロール値を改善する方法があるらしい。

第120回
調理法でリスクが変わる?前立腺がんとフライパン
定年をにらんだ50代後半ころからじわじわ表面化してくる前立腺がん。診断・治療法が進化したので、死亡率は減少傾向にある。進行が非常に遅いタイプが多く、直接的な死因になる人は一部にすぎない。とはいえ、第二の人生の引き出物が「告知」ではツマラナイのは確か。

第119回
性格診断より根拠あり!?O型は循環器疾患になりにくい
一時期のブームはないにせよ、日本人の血液型性格診断(血液型占い)好きはよく知られている。信じる、信じないはともかく、皆それなりに一家言あり「とりあえずの話題」としての座持ちのよさは「とりあえず、ビール」に匹敵するほど。

第118回
糖尿病リスクか心疾患死か脂質異常症治療薬─○○スタチン
世界で最も売れている脂質異常症の治療薬──○○スタチン(○○に入る名称は現在、7種類)。悪玉コレステロール値が高いメタボ中高年諸氏にはおなじみの薬だろう。肝臓でのコレステロール合成を妨げる薬で、1970年代に日本の遠藤章氏らが発見した。

第117回
ついに“効能表示”が可能に!?チョコレートは健康食品か
トクホではないが、ついにチョコレート製品のパッケージにも“効能表示”がつくようだ。といってもEUでの話。

第116回
骨折歴、喫煙、やせ型で要注意男性骨粗鬆症管理ガイドライン
ひと昔前まで高齢女性の病気とされてきた骨粗鬆症(こつそしょうしょう)。男性の骨量が多いのに加え、女性より短命なことも一因だろう。しかし男性の寿命が延びるにつれ、患者数が増加してきた。
