山口 博
財務省の福田前事務次官によるセクハラ騒動は、録音が公表されて言い逃れできない状況となった。また、日大アメフト事件は、悪質タックル映像が公開され問題化した。一挙手一投足が白日のもとにさらされる時代、SNSをどう扱えばよいのだろうか。

森友・加計騒動についての国会議論の収拾がつかない。その原因は、政府側答弁の「ご飯論法」による話のすり替えとごまかしにある。政府のみならず企業のあちこちでご飯論法は散見されるが、ビジネスにとって一番大切な信頼関係をブチ壊す、最悪なやり方である。

日大のアメフト選手が悪質タックルをした傷害行為は、明示的な指示の有無にかかわらず、管理者責任の認識欠如が問題だ。選手に責任転嫁している同大学人事担当常務理事でもある内田前監督に、組織リーダーとしての資格はない。

シアトル・マリナーズによるイチローの選手としての幕引きが見事だ。それは、メンバーを組織から放出しなければならない時のグローバルスタンダードの5つのステップに、忠実にのっとっているからだ。

サッカー日本代表のハリル監督が電撃解任された。日本サッカー協会が示している解任理由と解任プロセスを見てみると、ハリル氏が強い怒りを表明することは無理もない。

個人情報漏洩事件の発生が後を絶たない。最近でも米国のフェイスブックで、5000万人の個人情報が不正利用された事件が発覚した。官民を挙げて個人情報管理の徹底に拍車がかかっているのだが、先日、トンデモない事態に直面した。

東芝から厚生労働省、ひいては財務省に至るまで、不正、ねつ造、改ざんによる問題が後を絶たない。それらに共通しているのが、「忖度」の存在だ。もともとは、上司の意向を察するというポジティブな意味を持つが、私には、組織を崩壊させる恐るべき猛毒に思えてならない。

改正個人情報保護法が施工されて1年近くになるが、個人情報漏洩事故が後を絶たない。企業がさらに厳格に個人情報取扱を徹底する中、明らかに行き過ぎと思わざるを得ないトンデモな取り扱い方法に相次いで直面した。

安倍首相が、裁量労働者は一般労働者よりも労働時間が短いという意味の答弁をしたが、そのデータがデタラメだったという事態が発覚した。裁量労働制は労働時間の増減に大きな変化を生み出さない。この答弁は、勤務管理の形骸化を示すトンデモない事例だ。

銀座の泰明小学校が、こともあろうに高級ブランド「アルマーニ」を標準服にするという。銀座の街のブランドと泰明ブランドを一体化する目的のようだが、私には「アルマーニ」がブランディングに役立つとは全く思えない。

顧客が楽しみにしていた旅行や、人生最高の晴れの日に、最悪の仕打ちをした「てるみくらぶ」や「はれのひ」。直前まで無理な経営をゴリ押しした結果、顧客の大切なイベントを「勝手にリセット」するという暴挙に出た。しかし、この「勝手にリセット状態」を生み出す困った人は、どこの組織にもいる。

本文に宛名のないメールを受け取ることがたびたびある。差出人名が書いていないこともある。たかがメールの宛名と差出人名の問題だが、ビジネス現場のコミュニケーションには、悪い影響を与えるのではないだろうか。

労基法違反で社名公表された企業は471社、労基署臨検後違反が発覚した事業場は69%に上るというトンデモな事態が起きている。社員を労働搾取するばかりか、支払いを遅らせたりして取引先を使い捨てする事例も目に余るなど、モラルの低い企業が多すぎる。

日産自動車、SUBARU(スバル)、神戸製鋼、東洋ゴム…組織ぐるみの不正行為や不正隠しが絶えない。不正行為が起きやすいか起きにくいかは、法令順守の取り組みだけによるものではなく、実は社員のモチベーションの高さによるところが大きい。

日馬富士の貴ノ岩に対する暴行傷害事件での、日本相撲協会の対応が不可解だ。人事マネジメントの観点からは、トンデモな対応をしていると言わざるを得ない。

モデル就業規則の変更で、副業容認の議論が加速しそうだ。「転職リスクを増大させるので、副業容認により転職予備軍の寝た子を起こしてはならない」という定説があるが、実は、副業容認は逆に転職リスクを低下させる。

「派遣社員の選考や面接をしてはならないが、会社見学と表現するならば、1回は実施してもよい」…派遣社員就業には掟があり、掟破りの手口も横行している。しかしこの掟も掟破りも、そもそもトンデモな理由から生まれている。

強引なビジネスマンが多く、超肉食系という印象のある中国人ビジネスパーソン。しかし、筆者が中国で実施した人材開発プログラムの経験によると、意外にも草食度が高い。

商談をしていると突然、相手の中国人経営者がスマートフォンをいじりだした。なんと失礼なことか思ったが、実は、その行動には実にポジティブな意味があった。

「時間だぞー」「早く帰れよー」…勤務時間の終わりが近づくと、オフィスのあちこちで聞こえてくる上司の声だ。しかし、この掛け声、百害あって一利なしの、かけてはならない禁句なのだ。
