野地秩嘉

ノンフィクション作家

1957年東京都生まれ。著書に『サービスの達人たち』『サービスの天才たち』『トヨタ現場の「オヤジ」たち』『高倉健インタヴューズ』『ユーザーファースト穐田誉輝とくふうカンパニー――食べログ、クックパッドを育てた男』など多数。

第三九回
魚はもちろんカレーも美味い、築地場外の「ヤバい」そば屋
野地秩嘉
長生庵は築地の場外にある、一見、普通の日本そば屋だ。朝の7時から営業している。その時間に食事をしている、あるいは一杯やっているのは、市場に仕入れに来ている飲食店の人が多い。
魚はもちろんカレーも美味い、築地場外の「ヤバい」そば屋
第三十八回
とんかつの神は、脂身に宿る
野地秩嘉
とんかつのおいしさでもうひとつ、よく言われるのが「揚げたてがいい」という話だ。だが、果たしてそれは本当なのか。「山さき」の山崎美香さんが作ってくれた弁当(写真)は万葉軒の薄い肉を4倍くらいには厚くしてある。肉はしょうが焼き用のそれ。それをカリカリに揚げて、下に千切りキャベツを敷いた。写真の弁当にはウスターソースがかかっているが、わたし自身は飛行機に乗る時はチューブからし、パック醤油を持参している。
とんかつの神は、脂身に宿る
第三十七回
「肉の満漢全席」を楽しめる新丸子の洋食屋とんかつ、すき焼き、ステーキ、鶏の水炊き、鴨しゃぶ、そしてハンバーグからウインナーまで。
野地秩嘉
とんかつと洋食の店「ひげ虎」は東横線新丸子駅の改札を下りて、目の前にある。同店のキャラクターを、ちょっと大袈裟に言えば、ずばり「肉の満漢全席が食べられる店」だ。
「肉の満漢全席」を楽しめる新丸子の洋食屋とんかつ、すき焼き、ステーキ、鶏の水炊き、鴨しゃぶ、そしてハンバーグからウインナーまで。
第三十六回
元住吉の立ち食いそば屋で、ドイツのフランクフルトソーセージと日本蕎麦が合体。丼の中の日独交流!?
野地秩嘉
ブレーメンそばは490円。かけそばの上にフランクフルトソーセージが2本、フレンチフライポテトが5本、わかめ、ねぎが載っている。ドイツを代表するソーセージとポテトが日本を代表するそば、わかめ、ねぎと丼のなかで交流しているわけだ。
元住吉の立ち食いそば屋で、ドイツのフランクフルトソーセージと日本蕎麦が合体。丼の中の日独交流!?
第三十五回
庶民の味、コロッケの真骨頂はじゃがいもとラードの出会いにあり。
野地秩嘉
マリアカフェのバブル、そして、ファットバーガーのフレンチフライ。どちらも味は町の肉屋が揚げているじゃがいもコロッケそのものと言っていい。ロンドンやロサンゼルスへ行かなくとも、わたしたちはバブルとフレンチフライの味を思い浮かべることができる。じゃがいもとラードの出会いこそが庶民の味だ。
庶民の味、コロッケの真骨頂はじゃがいもとラードの出会いにあり。
第三十四回
日本橋浜町の鶏料理一筋の老舗で、ボリューム満点の鶏肉三昧を。宴会も可能な楽しい庶民派食堂
野地秩嘉
大金はだいきんと読む。浜町と人形町の中間に位置している。創業は明治25年(1892年)。当時から鶏肉の料理を出していたのだが、そのなかの「きじ丼」はどうやら雉肉だったらしい。
日本橋浜町の鶏料理一筋の老舗で、ボリューム満点の鶏肉三昧を。宴会も可能な楽しい庶民派食堂
第三十三回
「台湾家庭料理は、お客さんの笑顔のための料理。だから、おいしくて安くて、やさしい味でないといけない」と元住吉の大衆食堂店主は言った
野地秩嘉
「台湾小吃 美(メイ)」は、ブレーメン通りから少し入った路地に面している。店名にある口偏に乞という字は「食べる」「食事する」という意味で、小吃(シャオツー)とは軽食のこと。ひいては、おそうざいのような食べ物でもある。要は家庭料理の食べられる大衆食堂と理解したい。その名の通り、同店のメニュー、雰囲気とも台湾各地にある大衆食堂そのままである。
「台湾家庭料理は、お客さんの笑顔のための料理。だから、おいしくて安くて、やさしい味でないといけない」と元住吉の大衆食堂店主は言った
第三十二回
お肉屋さんのお弁当、侮れず! あなたは、学芸大学駅近くの精肉店のオール自家製500円弁当を食べたか!?
野地秩嘉
学芸大学駅を降りてから3分ほど歩いた路地にあるのが栄屋肉店。町のお肉屋さんである。全従業員数は2名。山中勝、ミツ夫妻。ふたりとも今年、80歳になる。
お肉屋さんのお弁当、侮れず! あなたは、学芸大学駅近くの精肉店のオール自家製500円弁当を食べたか!?
第三十一回
市ケ谷に、肉好きにはたまらない飯処を発見。青森の郷土料理もあります!
野地秩嘉
市ヶ谷の良心とも呼べる家庭料理「はなむら」は防衛庁オフィスの至近にある。なんといっても量が多い。安い。うまい。加えて、肉料理と青森郷土料理の宝庫でもある。
市ケ谷に、肉好きにはたまらない飯処を発見。青森の郷土料理もあります!
第三十回
漁師料理風の「はも鍋」「クエ鍋」も食べられる市ヶ谷の気の利いた飯処 女性好みの繊細な味と雰囲気の店
野地秩嘉
夜、なる川へ行くと、酒を飲んで盛り上がっているグループ客の隣で、イヤホンで音楽を聴きながら、スマホで検索をし、銀しゃけの身をほぐすというマルチタスクを行う女子が必ずいる。居酒屋であり、かつ、食堂という店だ。
漁師料理風の「はも鍋」「クエ鍋」も食べられる市ヶ谷の気の利いた飯処 女性好みの繊細な味と雰囲気の店
第二十九回
昭和の下町の風景を撮り続けたカメラマンが営む浅草橋の洋食屋。名物はオムライスと、ボリューム満点の三色ライス
野地秩嘉
浅草橋から歩いて5分のところにある洋食店「一新亭」。テーブルが3卓の小さな店だ。創業は1906年。日露戦争が終わった後のこと。開業したのは現店主、秋山武雄の祖父だ。祖父の後、父親がキッチンに立ち、秋山は三代目になる。
昭和の下町の風景を撮り続けたカメラマンが営む浅草橋の洋食屋。名物はオムライスと、ボリューム満点の三色ライス
第二十八回
キンミヤ焼酎にこだわる学芸大学駅そばの酒飯処は、夫婦の絶妙なコンビネーションで、実に多彩な料理を提供
野地秩嘉
東横線学芸大学至近の居酒屋「さいとう屋」は、カウンターとテーブルを合わせて16席。夕方から夜までの営業だけれど、つねに満席の状態だ。店を切り盛りしているのは齋藤功と陽子夫妻。家族経営の店で、家族が親密なのは、見ていて気持ちがいい。
キンミヤ焼酎にこだわる学芸大学駅そばの酒飯処は、夫婦の絶妙なコンビネーションで、実に多彩な料理を提供
第二十七回
安くて旨い、感涙の昼定食!御徒町の気さくな和食店は、ふぐ料理も出す実力派だった
野地秩嘉
御徒町にある、ふぐ・和食の店「お徳」はマスコミ初登場だ。わたしは「オレさまが口説いたんだぜ」と自慢したいわけではない。あまりに安くておいしい店だから、こういうところこそ、どんどん取材したらどうかと天下に向かって言いたいのである。
安くて旨い、感涙の昼定食!御徒町の気さくな和食店は、ふぐ料理も出す実力派だった
第二十六回
神田・淡路町で、今や希少価値となりつつある庶民のための「天ぷら専門店」の心意気に出会う
野地秩嘉
神田淡路町「天兵」は庶民のための天ぷら専門店だ。たとえば天兵の天丼は1250円だ。天丼チェーンのそれよりも高い。しかし、天タネは天然海老が2本、魚(キス、穴子など)が2種、野菜が2種である。赤だしとおしんこもつく。ご飯は魚沼産コシヒカリ。ご飯の大盛りはサービスだ。
神田・淡路町で、今や希少価値となりつつある庶民のための「天ぷら専門店」の心意気に出会う
第二十五回
赤羽の喫茶店は、カレーや焼き魚定食を、モーニングセットで楽しめる
野地秩嘉
「友路有」はトゥモローと読む。赤羽に3店、浅草に1店舖ある喫茶店チェーンだ。「昔ながらの喫茶店」という看板通り、同店の雰囲気は昭和40年代、50年代を彷彿させる。
赤羽の喫茶店は、カレーや焼き魚定食を、モーニングセットで楽しめる
第二十四回
「早い・旨い・安い」を地で行く日暮里の立ち食いそば屋は、ファンを“信者”にする!
野地秩嘉
日暮里駅から歩いて3分の場所にある一由そば。独自路線を行く人気の立ち食いそば屋だ。同店は24時間営業である。深夜でも早朝でも、店内には、そばをすすっている人がいる。時には10人以上が深夜にそばをすすっている。食事時は人であふれかえり、オーダーすることさえままならない。
「早い・旨い・安い」を地で行く日暮里の立ち食いそば屋は、ファンを“信者”にする!
第二十三回
目黒・柿の木坂に、小体なれどキラリと光る実力派の中華料理店を発見!
野地秩嘉
東急東横線・都立大学駅から駒沢通り方面へ向かう。コンサートホールや図書館が入っている「パーシモンホール」の向かいに小さな店がある。店のエントランスには白い布が垂らしてあり、赤い色の飾り文字で「Tonoo's」とある。
目黒・柿の木坂に、小体なれどキラリと光る実力派の中華料理店を発見!
第二十二回
ボリュームたっぷりのご飯を、昭和の香りの中で味わう溜池の超人気「喫茶店」は、働く者たちの楽園だ
野地秩嘉
喫茶店、洋食店のシーザーは溜池交差点のコマツビル地下にある。コマツビルといえば1991年まで屋上に黄色いブルドーザーが載っていた。
ボリュームたっぷりのご飯を、昭和の香りの中で味わう溜池の超人気「喫茶店」は、働く者たちの楽園だ
第二十一回
30種類のおかずが、組み合わせ自由自在!「楽しく食べる」という食事の原点を改めて思い出させてくれる店
野地秩嘉
ゆずは定食屋だ。おかずは30種類以上もある。いずれも手作りで、冷凍ものを油で揚げたものなど一つもない。さらに他の定食屋と違っているところは上記のメニューから2品を組み合わせて、ご飯、味噌汁、おしんこ付きで950円で出しているところだ。
30種類のおかずが、組み合わせ自由自在!「楽しく食べる」という食事の原点を改めて思い出させてくれる店
第二十回
食べたいものは何でもある?食いしん坊も極まれり。栃木県は日光に、心躍るスーパー食堂あり
野地秩嘉
高円寺の食堂兼居酒屋「福福」。秋田料理を標榜しているだけあって、きりたんぽ鍋(2000円)、ハタハタ寿し、いぶりがっこ、秋田しょっつるカマンベール(いずれも500円)などがメニューに載っている。店主の竹内真由美は「うちのは秋田そのままの味です」と、どんと胸を叩く。
食べたいものは何でもある?食いしん坊も極まれり。栃木県は日光に、心躍るスーパー食堂あり
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