村上 力
#3
近年、激化するアクティビストファンドと上場企業経営陣の紛争で、需要が高まっているのがIRジャパンを含む「企業防衛」アドバイザリービジネスだ。情報戦が過熱する中、防衛アドバイザーは敵方スキャンダルのリークや従業員声明の捏造、匿名の手紙による脅迫など、かつての総会屋をほうふつとさせる危ない戦術に手を染め始めている。

#2
3月に公表された第三者委員会の調査報告書は、マッチポンプだけでなく、企業の守護神を自任するIRジャパンの数々の裏切り行為を明らかにした。東証プライム上場の天馬では、会社側から株主側に寝返り、会社から預かった株主情報を不適切に管理していた。顧客企業に対して株主側に付く「寝返り」を示唆し、契約金を2000万円に上げる謀略も明らかになった。

#1
IRジャパンの「マッチポンプ」疑惑を巡り、持ち株会社のIRジャパンホールディングス社長で実質オーナーの寺下史郎氏が“被害者”の東京機械製作所に対し、個人で億単位の賠償金支払いを検討していることが、ダイヤモンド編集部の取材で分かった。メディア界の“巨人”読売新聞を激怒させた「落とし前」が、水面下で模索されている。

#4
経済産業省の「伊藤レポート」などをまとめ、企業統治の“大家”として知られる伊藤邦雄・一橋大学名誉教授が、東レでは長年にわたって社外取締役やガバナンス委員長などを務めている。ガバナンス論に詳しい八田進二・青山学院大学名誉教授が、その伊藤氏らを「お飾り社外取締役」と批判した。

#3
全社的に品質不正に見舞われている東レだが、業績という定量的な観点からも、厳しい結果が続いている。韓国や香港でのM&A(企業の合併・買収)では巨額の損失を出し、中期経営計画と実績が大幅に乖離していながら、その原因についての分析はない。機関投資家の離反は必至とみられ、12年間続く日覺昭廣社長の「公益資本主義体制」は終焉を迎えそうだ。

#4
NEM流出事件を受け、無秩序だった仮想通貨業界を律するために設立された、金融庁が認可する自主規制団体「日本暗号資産取引業協会」、通称JVCEA。だが規律を策定するどころか、JVCEAの協会運営自体が混乱を来していることが発覚した。その背景を探ると、仮想通貨ビジネスの“権益”確保を狙うコインチェックのいびつな「実効支配」が浮き彫りになった。

#3
コインチェックの業績悪化の兆候が出ていた今年4月。米特別買収目的会社(SPAC)で合併予定のファンドが、業界首位を争う仮想通貨取引所大手ビットフライヤーを買収し、コインチェックとの合併を計画していたことが分かった。計画が実現すれば国内市場シェアの半分を掌握する連合となる。仮想通貨市場「支配」の野望やいかに――。

#2
米暗号資産(仮想通貨)交換業大手FTXトレーディングの経営破綻がマネックスグループ傘下のコインチェックを直撃し、資金繰り悪化の懸念が浮上している。足元の業績悪化に加え、業界全体のレピュテーション低下が主因だ。マネックスは特別買収目的会社(SPAC)との統合を通じ、2022年中にコインチェックを米ナスダック市場に上場させる計画だが、それは「風前のともしび」となっている。

#1
日本の仮想通貨業界を震撼させた「NEM流出事件」から5年――。松本大氏率いるマネックスグループ傘下で再建を果たしたかに見えた仮想通貨交換業大手コインチェックの、衝撃的な実態が明らかになった。マネーロンダリング対策の不備や個人情報のずさんな管理、社員による情報漏えいや法令違反などの不祥事が多発。内部告発を基に、マネックスが主導する「企業再生」の機能不全を暴く。

アイ・アールジャパンの元代表取締役副社長でインサイダー取引疑惑の渦中にある栗尾拓滋氏が2021年春ごろ、投資会社のアジア開発キャピタル(ADC)代表と面会し、新聞輪転機メーカーの東京機械製作所の買収提案を行っていたことが、ダイヤモンド編集部の取材で分かった。ADCは同年夏以降、東京機械株を買い増し、経営権争奪戦に発展したが、東京機械の防衛アドバイザーを務めたIRジャパンのトップが、実はADCに東京機械の「乗っ取り」をけしかけていたという驚愕の事実が発覚した。

マネックスグループ(社長CEO・松本大、以下マネックス)の、米国の特別買収目的会社(SPAC)を通じた子会社上場計画が難局に立たされている。マネックスは今年、米ネット証券子会社トレードステーションと国内暗号資産大手・コインチェック(社長・蓮尾聡)のSPAC上場を目指していたが、8月にトレードステーションの上場を断念。背水の陣となるコインチェックだが、上場目前にもかかわらず業績が悪化し、情報漏えいなどの不祥事が多発。社内体制の脆弱(ぜいじゃく)さを露呈しつつある。

#7
LIXILや関西フードマーケット、東京機械製作所など、IRジャパンが支援する企業の株主総会で、議決権行使書と委任状が一体になった書面が使われた。この「一体型委任状」について、甲南大学の梅本剛正教授は「株主の合理的な意思決定を妨げる」と問題視する。その理由を、梅本教授に聞いた。

#5
今年の株主総会では、会社提案の取締役選任議案で多くの大企業経営者に反対票が投じられた。ダイヤモンド編集部は、時価総額1000億円以上の大企業を対象に、株主の賛成率が低い取締役のランキングを作成。上位にランクインした経営者に、ある共通点が浮かび上がった。

#4
IRジャパン急成長の裏には、上場企業に強まる株主圧力がある。アクティビストや機関投資家らの株主提案が近年増加し、可決されるケースも散見され始めた。そこで今年の株主総会で、多くの賛成を集めた株主提案をランキング化。株主圧力におびえる経営者が存在する限り、彼らの“駆け込み寺”としてIRジャパンのニーズは存在し続けそうだ。

#3
上方修正の連発により、2019年の年初から21年初め頃までに株価が10倍に膨らんだIRジャパン。だがこの1年間は、業績未達と不祥事により、10分の1に転落。急成長と凋落の裏で何があったのか。関係者の証言により、「天国と地獄」の内幕ドキュメントを描く。

#2
IRジャパンはなぜ、発生が予測できない巨額ディールを通期見通しに盛り込む無謀な行為に及んだのか。それは同社がこれまで企業と株主の紛争で荒稼ぎできた成功体験があるからに他ならない。ダイヤモンド編集部の独自取材で、IRジャパンに巨額フィーを支払った企業名を明らかにする。アクティビストの圧力を受けるセブン&アイ・ホールディングスやリコーなどが、IRジャパンに「企業防衛」を依頼していた。

#1
IRジャパンが下方修正の必要性を認識しながら、固執し続けた通期売上高120億円の業績予想。その根拠となる案件名と報酬額が、ダイヤモンド編集部が入手した内部資料で明らかになった。その内容を検証すると、ドラッグストア大手ツルハホールディングスをはじめ有名企業から億円単位の巨額フィーを得る計画など、無謀な「皮算用」が通期見通しの根拠となっていた実態があった。

予告
IRジャパンの開示不正疑惑を暴く!「お手盛り」調査報告書に隠された真実
上場企業の“用心棒”として株主対応などを手掛けるアイ・アールジャパン(IRジャパン)で今年6月、元副社長のインサイダー取引と、上場規程に反して業績予想修正を適切に開示しなかった疑惑が、ダイヤモンド編集部の報道により明らかになった。あれから3カ月。IRジャパンは調査報告書を公表したが、その内容は、不十分な調査と経営陣を擁護する詭弁に満ちた「お手盛り」そのものだった。そこで本編集部の独自取材により、開示不正疑惑の真相と、疑惑の背景にある「企業防衛ビジネス」の実像を明らかにしていく。

#4
日覺昭廣・東レ社長の「反論文書」で唯一、言及がなかった水処理事業部の不正会計疑惑の深層。実は疑惑の取引に手を染めた社員は日覺社長の腹心で、東レが2019年に警視庁中央警察署に届け出た「印鑑偽造被害」は、日覺社長の保身のための「虚偽告訴」の疑いが浮上している。

#3
特集『東レの背信』に激怒した日覺昭廣社長が作成した「反論文書」。だがうかつにも、ダイヤモンド編集部が指摘した独立役員と東レの利益相反疑惑の取引を事実と自ら認めていた。プライム上場基準に抵触する恐れも出てきている。
