効率が評価されないことにより、
「寄付の格差」が生じる
情報発信の貧弱さに加えて、「寄付の格差」も報告されている。情報を発信すべき当事者がメディアの報道に頼らざるを得ない状況が続いているのがその原因だ。より多く報道された日本赤十字社が1240億円(4/12現在、※1)を集めたのに対し、災害支援最大手のシビックフォースでさえ日本赤十字社と比べると0.6%の7.2億円(4/13現在、※2)という状況なのだ。
また、寄付の用途にもバラつきが大きい。日本赤十字は寄付金の大部分を被災者への義援金として寄付金を消化し、4月13日には、第一次配分として福島県のみで230億強を送金した。義援金を被災者に届けることができるのは実績が確立された団体のみに許される仕事だが、今回のような広域地震において、公平に義援金を分配することがそのまま効率のいい援助に結びつくのか、という意見もある。
その一方、災害支援最大手シビックフォースは三陸地域に支援を集中させ、約10 台の4トントラックを毎日定期運行し、これまでに現地のニーズが高い物資を200トン以上、被災地に運んだ。その他、多くのNPOが支援に乗り出したが、中小NPOほど財源に限りがあり、撤退を余儀なくされているのが現状だ。
今回の震災で、メディアの注目度や認知度によって、寄付の多寡が決定される構造が浮き彫りにされてしまった。これはNPO/NGO側が悪いとか、寄付者のリテラシーが足りないとか、そういう問題ではない。これを機に向きあっていくべき長期的な課題なのだ。
(※1)出所:日本経済新聞4月14日報道より
(※2)出所:シビックフォース4月14日プレスリリースより