街の中でも、小さな店が突然理由なく営業停止になったり、繁華街の一等地の大ショッピングセンターが完全に準備も終わり開店間近のまま5年も6年も放置されたり……。

 功成り名を遂げた民間大企業の社長が突然逮捕されたり、殺されたり、会社をのっとられたり。

 しかも、全く報道はされなかったりもする。

 とにかく、中国は奇怪で理不尽なことが多いのである。

党に逆らったら
何もできなくなる

 ジャック・マーは資産を早くにシンガポールに設立した慈善組織に移していると言われているが、あのぐらいになるとこれからもう1兆円儲けることなどに、あまり意味はないのではないかと思う。

 それよりも自分が育ててきた、13億の国民的インフラとなった企業がどうなるか。

 今、中国の金持ちは皆、外国に逃げ出しているのである。

「中国はすばらしい!国を愛してます!」と叫んでいた有名企業人や芸能人、調べてみたら、シンガポールに国籍を移していたという話は多い。

 もちろんアリババにはソフトバンクはじめ、いろんな外国資本が入っているが、しょせん、中国の会社。党に逆らったら何もできなくなる。

 アリババのアリペイ(支付宝)は、ジャック・マーとアリババの社員たちが、一所懸命育ててきたシステムである。急にあそこまで便利になったわけではない。

 私はタオバオの最初からのユーザーだが、最初は、銀行や郵便局まで行って振り込んでいた。

 20元(350円)のものを買って、振込代が2元(35円)。売り手の利益が10元なら2割である。

 当時の銀行はものすごく並ばないとだめで、また地方だと連携していない銀行や、お金を送っても届かない!!!金融機関がある。

 返品や不良品が発生したときの返金や値引きはどうするのか。また中国はそれが多い。そういうのを一つずつ改善してきたのである。