開成・麻布・筑波大駒場・渋谷幕張…。東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないのに有名難関校に続々合格させると話題の塾だ。男女別カリキュラムを取り入れたロジカルで科学的な学習法は、特にエリート父親層から圧倒的な支持を集めている。本連載では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『男の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)の内容から、子どもの計画・理解・反復・習慣のプロセスを体系化した「男の子の特性」に基づく学習法をお伝えしていく。

勉強に飽きた子どもを「もう一度集中させる方法」

ハマりやすいが飽きっぽい

 「男の子は続かない」

 世の中の母親たちから、耳にたこができるくらい聞かされる言葉です。

 はっきり言ってそのとおりです。男の子は続きません。彼らはなにかを好きになるのが早いけれど、飽きるのも早いのです。私も含めて父親たちも覚えがあると思うのですが、ウルトラマンに夢中になっていたと思ったら、次の日には仮面ライダーが最高にかっこいいと思っている……男とは、そういう生きものなんでしょう。

 ただ、その幼さが時代とともにどんどん顕著になっていることは、私も感じています。今は、たとえ小学校5年生くらいであろうとも、幼稚園児と変わらないレベルです。だから、母親だけでなく父親も、男の子にイライラしてしまうわけです。

 でも、これは変えようとしないで受け入れて育てていくしかありません。忘れないでほしいのは、男の子は飽きっぽいけれど「ハマりやすい」ということです。

 もともと、男の子は自己表現が下手で「この勉強は飽きたからほかのがしたい」と言えません。ただ、足をバタバタさせたりよそ見をしたりと、集中できていないサインはすぐに出ます。

 こういうときに、気づいた親の多くが「ほら、もっと集中しなさい」「あと1時間でいいから頑張りなさい」などと言います。しかし、集中が切れた男の子にこれを望むのは無理です。

 そこで、一回休憩を入れるとか、トイレに行くとか、科目を変えたりすることで再びハマり始めることがあります。だから、「続けなさい」と無理を言うのではなく、その「ハマりポイント」に誘導してあげることこそが必要なのです。

 考えてもみてください。10分間しか集中できなくたって、それを6セットやれば1時間です。細切れであってもハマった状態での合計1時間のほうが、だらだらと集中できないままに机に向かっている連続1時間よりもはるかに価値があります。