フレームワーク30 DAY10 PEST

 自社のビジネスを取り巻く外部環境を四つの視点で分析するのが「PEST」だ。これはマーケティング界の巨匠、フィリップ・コトラーが提唱した分析法で、政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)の四つの視点から、マクロ環境の状況を考察する。

 政治(P)の面では、政府方針や各種政策、法規制や規制強化(緩和)の動きに着目。経済(E)では、景気の浮き沈みや事業展開地域の経済成長率といった景気関連指数が手掛かりとなる。

 社会(S)では、人口動態や宗教を含む文化、教育などの面まで幅広く社会情勢に着目する。技術(T)では、情報通信技術や特許などの動向について考える。

 いずれも現状だけではなく、今後の見通しやトレンドの変化を加味し、自社ビジネスへの影響を念頭に置いて分析することが肝要だ。

 PESTは、SWOT分析(「【7 SWOT分析】戦略アイデアを生む 応用版クロス分析の力」参照)のO(機会)とT(脅威)の詳細な分析に役立つとの指摘がある。最近は世界的な関心の高まりから、自然やエネルギーといった環境(Ecology)を社会面から独立させ、頭文字の順番を入れ替えた「STEEP」として活用する場面も出てきた。

 こうした分析により、例えばどのような市場に参入していくのか、海外進出を考える上でどんなカントリーリスクがあり得るのか、といった観点も整理しやすくなる。

 マクロ環境分析でポイントとなる先行きの予測については、PESTを応用した「シナリオ・プランニング」という手法がある。これは、特に自社や業界に大きな影響を与えそうなマクロ環境を通常二つ選び、マトリクスを作って「四つの未来」を設定するものだ。先行きのシナリオを想定しておくことで、描いた姿が実現したときにどのような戦略を取るべきか、事前に備える一助にもなり得る。

(週刊ダイヤモンド2017年8月5号「ロジカルシンキング&問題解決法」を基に再編集)