時価総額の変遷を見ると、日本の上位20社は5年前と比べ平均で1.7倍に増えた。米国は1.9倍で、さほど変わるわけではない。ただ、10年間に時間軸を延ばすと、日本は2012年後半から始まったアベノミクス相場の追い風があっても3倍にとどまり、5倍に増えた米国に引き離されている。
今年7月で戦後最長の景気回復の局面を迎える米国経済の好調さを背景に、名だたる米国企業も順調に利益を積み上げてきたわけだ。
さらに業種別で見ると、上位勢には首位のマイクロソフトを筆頭に「IT・通信」が目立つ。バフェット氏率いる投資会社のバークシャー・ハサウェイを除くと、いわゆる「GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)」が上位を独占。こうした巨大テクノロジー企業がけん引役であることも分かる。
連続増配首位は63年
「配当貴族指数」の投信は日本でも販売
このように米国には大型株でも成長性の高い銘柄が多い。さらに、歴史的に株主を重視する文化が根付いてきたことも魅力の一つだ。
そのさまは次の表を見ればよく分かる。増配を続けてきた日米上場企業を年数順に並べると、米首位のドーバーは何と63年。日本では花王が実績ベースで29年連続の最長記録を更新中だが、米国では首位の半分にも満たない期間なのだ。
また上位勢には、日本でも知名度の高いスリーエムやコカ・コーラ、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)といった銘柄も含まれ、配当を重視したいなら、こうした銘柄も選択肢に入りそうだ。