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「なんとなくお金のことが不安だ」
「若いうちにたくさん稼げるだろうか」
「どれだけ支出を切り詰めればいいんだろう」
「老後のことをどこまで考えればいいんだろう」…
そんな不安だらけのビジネスパーソンに向けて希望を語る著書、『投資家みたいに生きろ ―― 将来の不安を打ち破る人生戦略』が5万部のベストセラーとなっている藤野英人氏。
約30年間、ファンドマネジャーとして第一線で活躍し、7000人以上もの経営者にインタビューし、個人や企業の「成長」を見極めてきた経験を生かし、「投資家の思考」を「日々の習慣」に落とし込む方法を伝授します。
思考が「未来」に向いていますか?
社会人となれば、同世代とつるむばかりではなく、意識的に「年下の人」とも付き合うようにしたいものです。
若いうちは教えを請うほうが多かったと思いますが、今度は教える側に積極的に回っていきましょう。
自分の時間を使って「教える」という行為は、自分にとってリターンが少ないことだと思わるかもしれませんが、そんなことはありません。
「自分の身になる」ということは、「相手に説明ができて、伝えることができる」ということです。
感覚でわかっていることも、いざ言語化しようとすると難しいものです。私の投資の考えも、こうして文章を書いたり、人前で何度も話すことで磨かれていきました。
スキルや能力は自分だけで囲い込まず、積極的に伝えるようにしましょう。
私は明治大学で15年ほど講師をしていますが、なぜ続けているかというと、大勢の年下世代と継続的に交流できるからです。
年下世代が何を面白がり、どんな不安を感じているのかを知ることは、仕事でもプライベートにおいても大きく役立っています。
そして、年下世代と交流する際には、NGワードがあります。
それは、「自分の若い頃はこうだったから」といった、「昔のほうがよかった」論です。昔と今を比較して、今のいいところを見つけるのであればかまいませんが、逆の思考は危険です。
投資家的な考え方は、つねに「未来」を見ています。過去より今、今より未来。確実に世の中は成長していると信じることが投資家的な生き方です。
飲み会などの席で、「昔はよかったんだ」と、過去を美化して話をしていませんか?
そんな気持ちは、ぐっとこらえましょう。
そのためには、目の前の若い人も「同時代人」として今を生きていることを忘れないようにするのです。
定年後に会社の自慢話をする人
アーティストやアスリート、芸能人、映画監督などで成功を収めた一流の人たちは、業界を超えて高い次元の会話ができると言います。
どんな業界でも、1つのことを突き詰めると、共通点や法則などの「同じ景色」が見えるのかもしれません。
そして、そうなって初めて、相手と「対話ができる」のです。
外資系企業のように、職場にあらゆる国籍の人がいると、最初から「文化が違う」という前提があります。そうすると、「同じ属性の人としかつるまない」なんてことは誰もしません。
業界や属性を超えて「共通点」を見つけたり、「共感」をする。これこそがコミュニケーションの本質です。
定年を迎えた男性は、家に閉じこもったり、外に居場所がなくなる人が多いようです。それは、会社の中でしか人間関係を築いてこなかったからです。
会社の名刺を失った瞬間に、ただの1人の人間となってしまって外に放り出されます。そうなってから、他者と一から関係を築いていくことは難しいことなのです。
定年後でも「私は、○○社の部長だった」などと、過去の肩書きにしがみつき、相手をマウンティングする人もいます。そうなってしまっては、もう自分の人生を生きることができません。
業界人になるな!
業界人という言葉もありますが、それぞれの業界には独特の「業界臭」というものがあります。
その業界でしか通じない考え方や習慣、風習が、いつの間にか個人にも染み付いてしまうものです。
似たもの同士は、お互いにすぐに理解し合えるので、コミュニケーションコストが低くなります。ある意味、合理的であるし、効率的でもあるのですが、常識や前提があると、コミュニケーションに付加価値やイノベーションが起きにくくなります。
イノベーションというと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、前回の記事でもお伝えしたように、「付き合う人を変えると人生が変わる」のです。
自分とは思考パターンや行動パターンの異なる人と会うことで、あなたの思考や行動に変化が起こります。
以上、昔話や内輪話ばかりせず、違う世代、他業界の人たちとコミュニケーションするようにしましょう。