時代錯誤の女性観は
企業イメージを低下させる
ジェンダーとは「社会的な性差」を意味するが、時代錯誤の女性観は、企業イメージの低下に直結する。「炎上」で注目されることは、少なくとも大企業には、マイナスでしかない。『炎上しない企業情報発信』の著者で、ジェンダー問題に詳しいジャーナリストの治部れんげ氏はこう指摘する。
「現代のビジネスパーソンは損益計算書や貸借対照表の理解と同様に、ジェンダーに関する知識も教養として身に付けることが必要です。共働きの増加や、育児に参加する男性の増加で、消費者の意識は変化しています。にもかかわらず、情報発信側が時代の変化に付いていけていません。」
ジェンダー視点をアップデートするには、プライベートで自分より若い人と話すことが必要だ。会社の若手では上下関係があり、本音で話をしてくれない可能性があるからだ。
炎上は、突っ込んだ表現を追求したときに発生しやすい。特にネットの場合、テレビCMではできない冒険をした結果、ジェンダー炎上につながりやすい。担当者が女性でも、過剰に古い社会に適応した人もおり、「女性に任せれば安心」ではない。