遠藤俊英・金融庁長官
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当初は新型コロナウイルス問題に対して楽観的に構える企業が多かったものの、3月13日には日経平均株価が一時1万7000円を下回るなど、産業界への影響は計り知れず、企業の業績悪化懸念が高まっている。資金繰り不安を抱える企業は増えていくとみられるが、地域金融機関はこの危機にどう立ち向かうべきなのか。特集『倒産連鎖危機』の#4では、遠藤俊英・金融庁長官に緊急インタビューを敢行した。(ダイヤモンド編集部 新井美江子)

事業性評価と伴走型支援を
今まで以上にしっかり行うだけだ

――新型コロナウイルス問題が産業界へ与える影響は底知れず、企業の業績悪化懸念が高まっています。

 3月は年度末決算を迎える企業が多いこともあり、金融機関としては、特に中小企業の資金繰りにどう対応できるかということが大変重要になります。これまで金融機関、特に地域金融機関は、(決算内容や担保のみならず、事業内容や成長可能性などで融資を行う)事業性評価や、(企業に寄り添った)伴走型支援を掲げて地域の企業と密接に関わり合ってきたはずです。

 3月6日に麻生太郎財務大臣兼金融担当大臣の言葉としても発信していますが、この局面においては、まさにそうした事業性評価や伴走型支援を今まで以上にしっかり行い、企業を支える姿勢が求められます。金融機関の真価が問われるときなのです。特に地域金融機関は、その重要性について真正面から受け止めてほしいですね。

――地域金融機関は腕が試されますね。今回のコロナ危機では、企業に不必要に多大な書類を求めることなく、貸し付け条件を変更(リスケ)したり融資を実行したりと、迅速かつ柔軟な対応が求められています。

 これまでも、それができるような形で企業と接してきたんでしょと言いたいです。確かに、新規の顧客の場合は難しいかもしれない。相応の審査をやらなきゃいけないかもしれないですから。でもすでに取引がある企業については、「新型コロナウイルス問題が終息すれば業態がノーマルに回復して、その企業はちゃんとお金を返していけるようになるだろう」という判断ができるはずですよね。一定の信頼関係の下でこれまで十分にコミュニケーションを取ってきているはずなんですから。

 事業性評価、あるいは伴走型支援ってそういうことですからね。今までさんざん、金融機関の皆さんは「事業性評価してます、伴走型支援しています」って金融庁に言ってきたじゃないですか。