電機・自動車「ものづくり偏重」終焉、コロナが招いた解体的リセットPhoto:OsakaWayne Studios/gettyimages

新型コロナウイルスの世界的まん延により、電機・自動車業界に過去最大級の危機が直撃している。長らく日本経済をけん引してきた二大産業だが、旧来のビジネスの常識が崩れる「ポストコロナ」時代に勝ち切れる保証はどこにもない。二大産業はものづくり偏重主義から脱却し、国内製造業全体のリストラクチャリングという“解毒(デトックス)”作業に踏み切れるのか。特集『電機・自動車の解毒』は、5月11日(月)から20日(水)までの全17回の連載を予定している。

01 5月11日(月)配信
中国が牛耳る原材料「供給不安」がコロナで再燃、レアアースにアビガンも

画像:キービジュアル01Photo:Taechit Taechamanodom/gettyimages

 新型コロナウイルスの感染拡大は、物理的に人やものの移動が制限される「世界封鎖」を生み出した。自由貿易から保護貿易へ――。いみじくも、米中貿易摩擦や日韓の輸出管理強化に見られるように「デカップリング(世界の分断)」論が高まっていたタイミングである。コロナ危機で、中国を筆頭に世界各国がますます自国第一主義へ傾くことは避けられない。日本で高まる“レアアースショック”の再燃懸念を追うことで、世界が抱く中国脅威論をひもとく。

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02 5月11日(月)配信
日本が米インテル・台TSMCを誘致、半導体「国内回帰」の驚愕計画【スクープ】

画像:キービジュアル02Photo:Pinghung Chen/EyeEm/gettyimages

 コロナ感染拡大の終息が遅れつつある中で日本の製造業は、危機からイチ抜けする中国の“格好のターゲット”となりそうだ。そこで、中国をはじめ海外企業に狙われそうな“お買い得企業”リストを作成した。また水面下では、経済産業省が日本の国益を守ろうと「ウルトラC」プロジェクトを画策していることが分かった。米中貿易摩擦と買収リスクを同時に解消できるプロジェクトの中身とは。

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03 5月12日(火)配信
トヨタ大減産で下請け構造存亡の危機、製造業の雇用がコロナで壊れる

画像:キービジュアル03Photo: Koichi Kamoshida/gettyimages

 2021年3月期の世界の自動車販売台数は中立的なシナリオでも2割減少するとみられている。トヨタがコケると日本経済がコケる――。リーマンショック時に使い古された言葉だが、12年を経て日本のトヨタ依存度は格段に高まっている。素材、電子部品、エレクトロニクスなどあらゆる製造業がモビリティ領域を重点分野としてきているからだ。トヨタ減産が日本経済全体に及ぼすショックを分かりやすく解説する。

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04 5月12日(火)配信
日立が米中分断時代に「八方美人戦略」の妙手、中国責任者に聞く

画像:キービジュアル04Photo:Ivcandy/gettyimages, REUTERS/アフロ

 新型コロナウイルスの世界的まん延により、米中対立の激化はさらに深刻化している。そんな中、そうした地政学リスクに翻弄されにくい日立製作所の絶妙な事業構成が注目を集めている。二大強国の虎の尾を踏むことなく、米中市場で稼ぐモデルを構築した日立の戦略に迫った。

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羅針盤なき経営(1) 5月12日(火)配信
日立東原社長が激白「大規模買収はストップ。毒饅頭は掴まない」

画像:キービジュアル羅針盤なき経営1Photo by HIdeyuki Watanabe

 日立製作所の東原敏昭社長がインタビューに応じ、「コロナショックで最も影響を受けるのは自動車機器事業である」との認識を示した。また、中期経営計画の目玉である「2兆〜2.5兆円の成長投資枠」の実行については、近い将来での大型買収の可能性は否定した。投資を抑制させる中、日立はコロナ禍をどのように乗り越えようとしているのか。

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05 5月13日(水)配信
トヨタの「聖域」系列ディーラー網大再編へ、弱肉強食の死闘始まる

画像:キービジュアル05Photo:REUTERS/AFLO

 コロナの終息が遅れたことで、トヨタの国内大減産は避けられない。また、ポストコロナ時代には「所有から利用へ」のトレンドが加速することで「個人消費者向けのマーケットは回復しない」(自動車アナリスト)といわれている。いよいよ、段階的に着手されてきたトヨタ系列のディーラー網の抜本整理が始まろうとしている。

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06 5月13日(水)配信
日産社長が中国合弁・東風からの出資画策で総スカン、リストラ計画に暗雲

画像:キービジュアル06Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages

 日本の自動車メーカー7社には、どの程度の企業体力が残されているのだろうか。100年に1度ともいわれるコロナ不況を乗り切る余力はあるのか。自動車メーカーの場合、対売上高固定費比率が高いと売上高激減の影響をまともに受けやすく、2021年3月期1Q(4〜6月期)決算で赤字に転落するメーカーが続出するとみられている。自動車メーカー各社はリーマンショック直後に筋肉質な財務へ戻したはずだったが、近年の投資過多により意外に脆い財務実態へ戻っていたことが明らかになった。

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07 5月14日(木)配信
ソニーがコロナに打たれ強い理由、それでも家電事業はリストラ危機

画像:キービジュアル07Photo:Mario Tama/gettyimages

 リーマンショック以降、事業ポートフォリオを大胆に入れ替えたソニーは、CMOSセンサー事業やゲーム事業などの貢献でコロナ危機による業績悪化は比較的軽微に抑えられる見通しだ。そんな打たれ強いソニーですら家電事業はリストラの危機がささやかれる。コロナショックを受けて国内家電市場は34年ぶりに7兆円の大台を割る見通しであり、家電メーカー各社は生産拠点の統廃合などの抜本改革が迫られることになりそうだ。

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08 5月14日(木)配信
自動車・電子部品メーカー245社「コロナ耐久度」ランキング、固定費で明暗!

画像:キービジュアル08Photo:Axel Bueckert/EyeEm/gettyimages

 大きなクライシスが発生すると製造業は投資のブレーキを一気に踏むものだが、それでは事業は縮小均衡に陥ってしまう。自動車・自動車部品メーカーや電子部品メーカーなど主たる製造業245社について、リーマンショック前とコロナショック前とで「利益圧迫度(固定費比率の増減/利益率の増減)」を算出し、独自のワーストランキングを作成した。ランキング上位におり、かつコロナショックで売上高が激減するメーカーは要注意だ。

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羅針盤なき経営(2) 5月14日(木)配信
東芝社長がコロナ禍でも「日本は面白いポジションにいる」と断言する根拠

画像:キービジュアル羅針盤なき経営2Photo by HIdeyuki Watanabe

 東芝の車谷暢昭社長がインタビューに応じ、「新型コロナウイルス感染拡大によるパンデミックで、総額2000兆円の世界需要が蒸発する」との認識を示した。それでも「東芝をはじめ日本企業は面白いポジションにいる」とも語っており、ポストコロナの戦略について聞いた。

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09 5月15日(金)配信
三菱電機がコロナで業績転落、「リストラ巧者」の致命的欠陥とは

画像:キービジュアル09Photo: Kyodo News/gettyimages

 地味だが常に高収益を上げる優等生――。三菱電機には、勝算がないと踏んだ事業をどの電機メーカーよりも早く撤収する身軽さがあり、 「リストラ巧者」と呼ばれるようになった。いつしか電機業界の盟主に躍り出た三菱電機だが、今回のコロナ禍による業績転落は避けられそうにない。そして近年、成長のひずみが労働問題となって表面化するようになっている。

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10 5月16日(土)配信
三菱電機パワハラ被害者が告白、組織に巣食う「ムラ体質」

画像:キービジュアル10

 三菱電機グループの中で深刻な労働問題が表面化している(会社側はパワハラがあったとする事実を認めていない)。今回、パワハラを訴えた被害者がダイヤモンド編集部の取材に対し、三菱電機に染み付いた「ムラ体質」の実態について語った。

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羅針盤なき経営(3) 5月18日(月)配信
三菱ケミカル会長に聞く「生ぬるい日本経営には若者とアクティビストが必要だ」

画像:キービジュアル羅針盤なき経営3Photo by HIdeyuki Watanabe

 日韓の輸出管理強化や米中貿易摩擦といった「世界の技術覇権争い」では、日本の素材・部品メーカーの強さが浮き彫りになっている。国内製造業の戦略は電機・自動車共に完成品メーカーが優遇されており、これまでスポットライトを浴びることが少なかった素材・部品メーカーに転機が訪れたと言えるだろう。ポストコロナを睨み、国内製造業が競争力を余すところなく発揮できる戦略とは。技術戦略に強く、産業界を代表する論客でもある小林喜光・三菱ケミカルホールディングス会長に聞いた。

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11 5月19日(火)配信
パナソニック「利益想定通り」でもコロナで構造改革遅れの大誤算

画像:キービジュアル11Photo:Fusako Asashima, Kevin Kobs/gettyimages

 パナソニックの津賀一宏社長は「中国シフト」という大きな賭けに出たはずだった。そんな矢先に、中国を発生源とするコロナウイルスが世界にまん延し、パナソニックは出鼻をくじかれた格好だ。また、主要カンパニーでもコア技術・コア製品がないために業績の停滞は続いており、ついに時価総額は2兆円の大台を割った(5月8日時点)。業界からも株式市場からも見放されたパナソニックの前途は暗い。

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羅針盤なき経営(4) 5月20日(水)配信
富士フイルム会長「アビガンは大化けはしないが、経営者冥利に尽きる」

画像:キービジュアル羅針盤なき経営4Photo by Yoko Suzuki

 コロナ治療薬候補のアビガンの生産で一躍株を上げた富士フイルムホールディングス。米中対立が深刻化する中、提携解消が決まっている米ゼロックスが米HP買収を断念するなど事務機業界の勢力図は激変、富士フイルムのグローバル戦略に注目が集まっている。銀塩フイルムからデジタル領域への経営資源のシフト、ヘルスケア事業への参入など大胆な経営改革を敢行してきたベテラン経営者は、未曾有のコロナ危機にどう対峙しようとしているのか。コロナ後の「次の一手」について聞いた。

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12 5月20日(水)配信
コロナ後の自動車・航空機業界は大激変!BtoCビジネスはおしまい

画像:キービジュアル12Photo:Peter Zelei Images/gettyimages

 今回のコロナショックの猛威はすさまじく、「ポストコロナ」をにらんだ新しいグランドデザインを描き切ることができた企業のみが難局を乗り越えることになるだろう。コロナ後には、自動車や家電など高額商材の「所有から利用へ」の動きが加速し、BtoCビジネスが縮小するといわれている。生き残る企業の条件とは何か。

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羅針盤なき経営(5) 5月21日(木)配信
オムロン社長に聞く「コロナ前に高収益の車載機器事業を売る決断ができた理由」

画像:キービジュアル羅針盤なき経営5

 エッジの効いた京都企業として知られるオムロン。コロナショックで甚大な影響を受けている自動車部品領域において、タイミング良く車載機器事業を売却する決断ができたのはなぜなのか。山田義仁・オムロン社長に「ポートフォリオ経営」の徹底ぶりについてトコトン聞いた。

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Key Visual by Noriyo Shinoda

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