電機・自動車の解毒(3)Photo by Hideyuki Watanabe

小林喜光・三菱ケミカルホールディングス取締役会長、経済同友会前代表幹事がダイヤモンド編集部の取材に応じ、「日本の企業経営には“ファーストペンギン(挑戦する若者)”とアクティビストが必要」と述べ、ポストコロナの時代に改革を進める必要性を強調した。その発言の真意とは何か。特集『電機・自動車の解毒』(全17回)の羅針盤なき経営(3)では、産業界を代表する論客に日本の生きる道を聞いた。

データを活用したヘルスケアが本命
ポストコロナ時代見据え、戦略転換

――コロナショックが起きて、どんな変化がありましたか。

 1カ月以上、会社に行っていません(このインタビューはウェブ会議で行った)。これまでの働き方が何だったのか、自分自身に問うているところです。朝飯会から始まって、ランチミーティング、夜は週5日間会食をしていました。経済同友会幹事を務めていたころは週末ごとに講演会かゴルフです。今回、ウェブ会議システムなどのおかげで、移動したり、直接人に会ったりしなくても仕事ができることが分かってしまった。

 自分の過去のことだからはっきり言いますが、こんな無駄が多い人生はないですね。妻に言われてしまいました。「あなたはそういう人生を送ってきたのよ」と(笑)。