これまで多くの日本企業は、終身雇用を前提として社員にさまざまな仕事を割り振る「メンバーシップ型雇用」を採用してきた。そのため、欧米企業のように社員一人一人のジョブディスクリプション(職務記述書)が存在しない会社がほとんど。つまり、職務の内容が詳しく定義されていないのだ。

 在宅勤務に移行すれば、仕事の「経過」が分かりにくくなり、必然的に「成果物」だけを見て評価せざるを得ない場合が増えてくる。そのときにあらかじめ職務内容が定められていなければ、公正公平な評価は難しい。

 ジョブディスクリプションが整備された雇用形態は「ジョブ型雇用」と呼ばれる。日本企業においてそれを採用した先駆け的存在が日立製作所だ。同社は2012年から段階的にジョブ型へ移行してきた。その取り組みは他社にも参考になるはずだ。

 日立の最高人事責任者である中畑英信・執行役専務兼CHROは次のように話す。

「メンバーシップ型は人に仕事を付けますが、ジョブ型は仕事に人を付けます。そのため社内で全ポジションのジョブディスクリプションを整備しました。何をする仕事か、どのようなスキルが必要か、経験はどのくらい必要かなどを明確化しています。社員はどのようなキャリアプランを描き、どのようなスキルを身に付けていくかを考えるようになり、以前の受け身だったキャリアに対する考え方が変わってきています」

 海外ではジョブ型による雇用が常識。そのため、日立では、海外で現地人材を採用しやすくなるという効果も表れているという。

 在宅勤務が拡大し、本当の意味で評価制度もそれに合わせていくことになると、多くの企業でジョブ型への転換が進むかもしれない。

「出社勤務の従業員と同等の評価制度・指標を整備していた」と答えた企業でも、ジョブ型を採用している企業は多くないはず。その点についても回答結果を割り引いて考える必要がありそうだ。

採用数は新卒も中途も変わらず
「会わない面接」が当たり前に

 最後に各企業に聞いたのは、新卒採用と中途採用の採用予定数の変更の有無についてだ。コロナ禍があっても、多くの企業が採用数は変更しないと答えている。新卒採用では89社中64社(72%)、中途採用では52社(58%)が「採用数は変更しない予定」と回答した。

 注目したいのは、その採用方法だ。