ダイヤモンド編集部では、コロナ不況「耐久力」ランキングを独自に作成した。経済活動が大幅に縮む「7割経済」下で、脱落する企業と浮上する企業をあぶり出した。特集『大恐慌襲来 「7割経済」の衝撃』(全22回)の#2では、自動車・自動車部品63社のワーストランキングを発表する。(ダイヤモンド編集部副編集長 浅島亮子)
自動車・部品業界で高まる再編機運
狙われる企業はどこだ
2020年の世界の自動車市場は「2割減」の7200万台前後へ激減する見通しだ。まさしく、7割経済=超縮小経済が自動車業界を直撃することになる。
平成の30年間、自動車は成長産業であり続けた。08年のリーマンショック後に一時的に販売台数を減らしたり、トヨタ自動車がリコール問題発覚後に拡大路線の旗を降ろしたりといったことはあったものの、世界の自動車市場は成長を遂げてきた。
ところが、コロナショック前の19年前半から市場の鈍化が鮮明になった。また、成長の伸びしろの大半が中国市場で占められており、世界の主要国における成長はすでに鈍化していた。
このタイミングでコロナ不況が襲った。自動車市場の大減産に加えて、業界には「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング&サービス、電動化の四つの技術トレンド)」の波が押し寄せており、ガソリン車など内燃機関を事業の柱とする自動車・自動車部品メーカーには大試練が訪れている。
実際に、日立製作所とホンダの自動車部品子会社が統合したり、トヨタ系サプライヤーが合流したりと、にわかに再編機運が高まっている。
次なる再編の「ターゲット」となる企業はどこか。また身売り企業に買収の名乗りを上げるゲームチェンジャーはいるのか。それを見極めるためにも、自動車・自動車部品業界の実力を測ることができる精度の高いランキングを作成した。
ダイヤモンド編集部では、7割経済=超縮小経済でも勝てるコロナ不況「耐久力」企業ランキングを作成した。今回発表するのは、自動車・自動車部品業界63社のワーストランキング。作成には、東海東京調査センターの杉浦誠司シニアアナリストの協力を得た。