群馬の野武士#4
写真提供:カインズ

ニトリホールディングスが島忠にTOB(株式公開買い付け)を開始するなど、再編の嵐が吹き荒れるホームセンター業界。業界首位でベイシアグループの大黒柱であるカインズは専門店やドラッグストアとも競合し、熾烈な戦いを繰り広げる。そんな中、カインズはITエンジニアが集まるデジタル拠点を開設した。特集『ワークマンを生んだ群馬の野武士』(全7回)#5では、創業2代目が手を打つ、ベイシアグループの「IT小売企業」への変革の道のりを追う。(ダイヤモンド編集部 相馬留美)

表参道のおしゃれカフェにカインズ製品
本社から80km離れたデジタル戦略本部

 東京都港区の東京メトロ表参道駅から歩いて約5分。白い外壁で囲まれた建物の1階に、ちょっとおしゃれなカフェがある。壁一面に並ぶのは、近隣のカフェでは見掛けない品々。ホームセンター最大手カインズのプライベートブランド(PB)商品の雑貨や家電である。

 この建物こそが、2020年1月に開設されたカインズのデジタル戦略を担う拠点「CAINZ INNOVATION HUB(カインズ イノベーション ハブ)」だ。建物の1階に併設されたカフェはカインズの子会社が運営している。

 イノベーションハブで働くのは、カインズのデジタル戦略本部と、新設されたカインズテクノロジーズのメンバーである。エンジニアが大半で、半数は外国人だ。

 カインズの本社は埼玉県本庄市にある。群馬県前橋市のベイシア本社からは車で約30分の距離だ。カインズの兄弟会社ワークマンの土屋哲雄専務が、「表参道にビルを借りてコーヒーショップをつくるのも(カインズの)戦略」と語るように、本社から約80キロメートル離れた表参道にデジタルの拠点を設けた理由があった。