総予測#39
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手数料の値下げ競争や個人投資家の高齢化など構造不況に苦しむ証券業界。コロナ乱相場は業界に一時的な恩恵をもたらしたが、それが永続する保証はない。生き残りを賭けたサバイバル戦は、待ったなしの状況だ。特集『総予測2021』(全79回)の#39は、2021年以降の各社の将来像を占う。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)

「週刊ダイヤモンド」2020年12月26日・2021年1月2日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は原則、雑誌掲載時のもの。

コロナショック後の戻り相場で取引増加
空前の活況に沸く証券業界

 コロナ禍で多くの日本企業が苦境に追い込まれた2020年、証券業界は空前の活況に沸いた。コロナショック後の急激な戻り相場で株式や債券、投資信託の取引量が増え、さらに社債発行など企業側の資金調達ニーズも高まったからだ。

 それを裏付けるのが、20年4?9月期の業績だ。主要10社の全てが増収、うち8社が増益を達成した。中でも業界最大手の野村ホールディングス(HD)は、米国会計基準を適用した02年3月期以降で最高の上半期利益をたたき出す絶好調ぶりだ。

 ただし、この栄華が21年以降も続くかといえば疑問符が付く。日米など主要国の金融緩和政策によって市場の流動性が一気に高まったが、平時に戻れば取引量も減る。そもそも証券業界は、19年まで構造不況ともいえるダウントレンドの渦中にあった。