ワクチンの場合は副作用ではなくて副反応という言葉を使います。ワクチンによる健康被害の多くは、免疫反応そのものによって起きるものだからです。

 その副反応には大きく分けると3種類ある。一つ目は即時に、接種して数日以内に出てくるもの、二つ目は2週間から4週間たってから出てくるもの、三つ目はワクチン接種者が感染した場合に出てくるものです。

 一つ目の早い方の典型は「アナフィラキシー」という、全身に現れるひどいアレルギーです。海産物などの食べ物でも引き起こされるので、よくご存じでしょう。

 当初、皮膚がかゆい、目まいがするといった症状から始まって、さらに血圧が低下して意識障害、失神に至り、命を落とすこともあります。

 ただし、ワクチンによるアナフィラキシーの頻度は、これまで開発されたワクチンでは100万回に数回というレベルでした。

 例えば、ファイザーは第3相臨床試験に4万3000人を超える人が参加したとしていますが、ワクチン接種群とプラセボ(偽薬)接種群がそれぞれ何人感染、発症したかを見ているので、実は半数の2万1000人超しかワクチンを接種していません。

 100万回に数回しか現れないような副反応は、2万人超では見えない可能性があるのです。この点で少し心配なのは、英国で接種開始直後に、すでに2例のアナフィラキシーショック様の症状が見られていることです。このリスクについてはもっと時間がたたないと分からないと思いますが、慎重な判断が必要です。

 二つ目の遅い方の副反応の典型は、脳炎などの神経障害、それから末梢神経がまひするギランバレー症候群などがあります。

 例えば脳炎については、おたふくかぜのワクチンだと、100万回の接種に対して10回ぐらい起こる可能性があるといわれている。