世界の「今」と「未来」が数字でわかる。印象に騙されないための「データと視点」
人口問題、SDGs、資源戦争、貧困、教育――。膨大な統計データから「経済の真実」に迫る! データを解きほぐし、「なぜ?」を突き詰め、世界のあり方を理解する。
著者は、「東大地理」を教える代ゼミのカリスマ講師、宮路秀作氏。日本地理学会の企画専門委員としても活動している。『経済は統計から学べ!』を出版し(6月30日刊行)、「人口・資源・貿易・工業・農林水産業・環境」という6つの視点から、世界の「今」と「未来」をつかむ「土台としての統計データ」をわかりやすく解説している。
「高齢社会」とはどんな状態?
一般的に老年人口(65歳以上の人口)割合が7%を超えたら「高齢化社会」、14%を超えたら「高齢社会」、21%を超えたら「超高齢社会」といいます。
世界銀行の統計(2019年)によると、統計データの存在する194の国と地域において、老年人口割合が7%を超えているのは97ヵ国(50%)、14%を超えているのが56ヵ国(28.87%)、21%を超えているのが7ヵ国(3.6%)です。
老年人口割合の上位国は日本(28%)、イタリア(23.01%)、ポルトガル(22.36%)、フィンランド(22.14%)、ギリシャ(21.94%)、ドイツ(21.56%)です。
世界的に見ても日本が飛び抜けて高いことがわかりますね。
日本は平成になってからの少子化の進展が著しく、老年人口割合が急激に高まっています。今後もこの傾向が続けば、老年人口割合が2030年には30.3%、2050年には36.4%にまで上昇すると予測されています。
今後は台湾や韓国なども急激に高齢化が進み、台湾の老年人口割合は2030年には23%、2050年には34.5%、そして韓国は2030年には23.9%、2050年には35.3%にまで上昇すると考えられています。