本書の構成
本書は、次のような構成になっています。
序章では、クレーム現場の最新事情を解説します。いま、クレーム担当者を最も悩ませているのは、金品目的の反社会的勢力ではなく、もともとは善良な市民だった「大衆モンスター」です。まずは、是非ここを押さえてください。
1章は、クレームを長引かせないための鉄則です。クレームが発生した直後の初期対応からハードクレームを収束させるための対応策まで、一連の手順の原理原則を紹介しています。
クレーム対応は、クレーマーのペースに飲まれて、どう対応したらよいのかわからないまま延々と時間を取られるうちに、心身が疲弊し、ミスを犯して二次的なクレームを引き起こすケースが少なくありません。
まずは、基本的なクレーム対応の流れを頭に叩き込むことで、心に余裕をもって対応に臨むことができます。
2章でクローズアップするのは、理不尽な要求を断ち切る実践的な会話術です。現場ですぐに使えるフレーズを数多く紹介しています。
その目的や効果を十分に理解したうえで、徹底活用してください。
3章では、クレームの最終局面における対処法について解説しています。
実は、どんなに誠意を尽くしても納得しない相手や、金品をかすめ取ろうとする悪質クレーマーに対しては、「放置」するのが最も効果的なのです。
その具体的な方法を伝授します。
終章では、クレームに負けない「組織づくり」をしている企業の事例や、クレームを未然に防ぐ「行動習慣」、担当者のストレス耐性を高める「メンタルトレーニング」について述べています。
本書が、全てのクレーム対応に臨む担当者を勇気づけ、スキルアップの一助となることを、心より願っています。
2018年8月 援川聡
※ 本書で紹介している事例は、実話をもとにしていますが、プライバシーへの配慮、また、守秘義務の観点から、アレンジを加えていることをおことわりしておきます。