「上司ガチャ」で外れを引いたらいつまで耐えるべき? 見極めるための3つの質問

うまが合う上司、合わない上司によって仕事のしやすさは一気に変わる。感情的に怒りをぶつけてくる「外れ上司」に当たってしまった場合、どのように対処すればいいのだろうか。環境を変えたくても「自分が至らないせいだ」と我慢し続け、なかなか次の行動に踏み切れない人も多いだろう。発達障害専門の精神科医・本田秀夫氏は、「会社で耐えるべき」「会社を辞めるべき」の判断基準として、3つのポイントに沿って質問を投げかけるといいと語る。
今回は、本田氏が精神科医として30年以上のキャリアを通して見つめてきた「生きづらい人が自分らしくラクに生きられる方法」についてまとめた書籍、『「しなくていいこと」を決めると、人生が一気にラクになる』の発売を記念し、「上司ガチャ」で外れを引いたときの対処法について聞いた。(取材・構成/川代紗生、撮影/疋田千里)

「怒られることが極度に苦手な人」に共通する心のクセ

──今回の本のなかでも書かれていましたが、やはり職場での人間関係が原因で「生きづらさ」を感じている人は多いですよね。とくに、「上司に怒られるのが怖すぎる」など、上司に対する悩みは頻繁に耳にします。

本田秀夫(以下、本田):そうですね、ものすごくハードな会社やブラック企業に入ってしまって、尋常ではない量の仕事を指示されたり、パワハラされたりして心身ともに疲弊していくケースもよくありますからね。

──怒られることに対する過剰な恐怖心は、どうすればなくなるのでしょうか? 慣れれば気にならなくなるよ、という話も聞くのですが、やはり回数を重ねて耐性をつけるしかないのでしょうか?

本田:たしかに、慣れて気にならなくなる人もいます。ただ、生まれつき怒られるのがすごく苦手という人もいるんですよ。むしろ、怒られれば怒られるほど、どんどんダメになってしまう。ますます怒られるのが怖くなってしまうという人もいて。それはその人の特性なので、努力でどうにかなるものではないんですね。

 とくに、小さい頃から親や学校の先生に苦手なことの克服を強いられ、「過剰訓練」をしてきた人は、失敗を引きずってしまいやすい傾向にあります。怒られれば怒られるほど落ち込み、うつっぽくなってしまう場合もあるので、「慣れれば大丈夫」とは言い切れませんね。