間違いを認めず、失敗から学びを得ない政党でいいのか

 左派の人たちの特徴の一つは、間違いを絶対に認めない「無謬性」を主張することだ(第112回)。共産党の志位和夫委員長は、委員長就任以来一度も選挙に勝てないのに、いろいろと理屈を付けて、実に21年間も委員長を辞任しない。だが、立憲民主党も党内文化はそれほど変わらない。

 だから、経験豊富なベテランたちが、政権運営を間違えた「旧民主党」のイメージだというだけで切り捨てられて、二度と表舞台に立てない。代表選には「若手の台頭」「世代交代」と言えばきれいに聞こえるが、実際は「次の総理」である野党第1党の代表の器量があるとは到底思えない政治家しかいない。ここに、この党の限界が見える。

 世界の自由民主主義国で、一度や二度の政権運営の失敗で、党名を捨てたり分裂したりする政党はない。日本の自民党だけではなく、英国の保守党、労働党、ドイツのキリスト教民主同盟・社会同盟(CDU・CSU)、社会民主党(SPD)など、何度も政権奪取と下野を繰り返しているが、政治思想・信条、政策の方向性がブレない。失敗しても、そこから学び、復活する。何度でも繰り返すが、それが自由民主主義の強さなのである。