棚田:私がYouTubeや書籍を通して届けたいのは、そういった「試験会場にすら行けなかった人」たちのための勉強法なんですよね。資格試験はモチベーションが9割。モチベーションマネジメントができていないと、どんな勉強法を試しても合格は遠のいてしまいます。

「心が折れやすい人」に共通するNG習慣

──継続するにあたって、「心が折れやすい人」にはどんな特徴があるでしょうか。

棚田:「やらない期間」をつくってしまうことですね。YouTubeの視聴者の方からいただくお悩みなどを見ていると、間を開けてしまう人、とても多いんです。目標を立ててある程度まで進めた、スタートダッシュを切れたからと油断して、ゴールデンウィークやお盆などの連休期間で、やらない日を作ってしまう。

このように「時間があるときにまとめて一気にやる」戦略は、こと資格試験の勉強においては、あまりおすすめできません。なぜかというと、復習しない時期が続くと、記憶の定着率はどんどん悪くなっていくからです。直近の出来事は覚えていても、数日経過すると忘れてしまうもの。

私が行政書士の試験勉強をしていたときもそうでした。3ヶ月くらいかけて行政法を終え、憲法に進みましたが、その1ヶ月後に久しぶりに行政法の問題を解こうとしたら、驚くほど忘れていたのです。勉強の悩みで、「なかなか覚えられない」という相談をされる方はとても多いですが、実は、覚えること自体はそれほど難しくないんです。「覚えられない」ことではなく、「一度覚えたことをすぐに忘れてしまう」のが問題なんですよね。

勉強をやらない期間を経て、久しぶりに問題集を解いたとき、しっかり覚えたはずのことをかなり忘れてしまっている。また一から覚え直さなくてはならない。このガッカリ感こそが、試験勉強を続ける意思がポッキリと折れてしまう大きな原因です。

試験結果を私が予想することはできませんが、今学んでいること、覚えている知識は全部、人生の財産になります。だからこそ、どうか思い切ってチャレンジしてほしいですね。

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第1回 資格試験に落ちる人がやりがちな「残念な努力」
第2回 「いきなり過去問を解く」が最強の勉強法である
第3回 【今が狙い目】学歴不問で年収アップに効く「スゴい資格」ベスト1
第4回 「がんばっているのに報われない人」に共通するNG行動

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