三井住友銀行の高島誠頭取(高の文字は正式には“はしごだか”)は来年4月で任期丸6年を迎え、交代の可能性が高い。次期頭取レースを制するのは誰か。意外な経歴の人物が急浮上している。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)
旧三井銀出身の萩原氏が
専務に昇格し中枢部門を管掌
「次期頭取はほぼ決まりではないか」――。今春、三井住友フィナンシャルグループ(FG)でそうささやかれる人事が執り行われた。注目は、三井住友銀行の常務執行役員だった萩原攻太郎氏の専務昇格である。
萩原氏は慶應義塾大学経済学部卒業後の1988年に旧三井銀行入行。経営企画部長などを歴任し、直近では名古屋法人営業本部長やグローバルコーポレートバンキング本部副本部長を務めた。その萩原氏が4月1日付で銀行の取締役兼専務執行役員に昇格し、新たに管掌することになったのは企画部など銀行経営の中枢だ。歴代トップが通過した、大出世の登竜門である。
現在の高島誠頭取は来年4月で任期丸6年を迎える。西川善文、奥正之、國部毅の歴代頭取で任期6年を超えた者はいない。従って来年4月の頭取交代は既定路線だ。その1年前のタイミングで萩原氏が企画担当役員に昇格したのは、まさに“王位継承”のプロセスに入ったことをうかがわせる。
萩原氏が最有力な根拠はまだある。一つは旧住友銀行と旧三井のバランスだ。