眠りをなおざりにする文化は、こうした赤ちゃんの眠りに対する態度にもあらわれています。
自分では十分睡眠をとるようにいつも心がけている人でも、赤ちゃんを起こしておかなければならないという社会的なプレッシャーをたくさん感じているかもしれません。
しかし、賢い子どもの親は睡眠を大切にしている人ばかりです。
赤ちゃんの脳は刺激だけでは育たない
一般にわたしたちは、睡眠よりも活動のほうが大切だと思い込んでいます。
たとえその人が何歳であっても、活動こそが、さらには活動だけが、人間を賢くし、生産性を高め、人生を謳歌できるようにするというのです。
ここ10年ほど、とりわけ赤ちゃんの成長中の脳が正常に発達するには、常に刺激を与えなければならないといわれてきました。結果、多くの人々が、赤ちゃんにさまざまな色を見せたり、音楽を聞かせたり、おもちゃが大量に必要なのだと思うようになりました。そして、親になると、赤ちゃんにもっといろいろな活動をさせなければというプレッシャーにかられ、さまざまなことを試みるように。
ピカピカ光ったり、グルグルまわったり、ヒューヒュー音のするおもちゃや文字や絵が描かれたフラッシュカードを与えたかと思えば、親子のための音楽やヨガなどのクラスを受講したり、一緒にテレビの教育番組やDVD を見たりと、知育のための高価なおもちゃや学習環境を与えつづけています。
これは、刺激を与えれば与えるほど、赤ちゃんの脳が発達しやすくなると信じてやまないからです。
実はそれらが原因で赤ちゃんがよい睡眠を確保できなくなっているとは、まったく想像もしていないことでしょう。
知育だけでなく睡眠の環境も整えてあげましょう。
これから詳しく見ていきますが、赤ちゃんの脳を活性化させるのは睡眠なのです。