連結売上高が
倍増した近鉄GHD
次は近鉄GHDだ。まず目を引くのは前年同期比で2倍以上になった連結売上高だ。これは今年7月、持分法適用会社(株式保有比率44%)であった近鉄エクスプレスに対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、子会社化したことで営業収入が約2340億円増加したためだ。
営業損益は、前年同期約190億円の営業赤字が約137億円の営業黒字となり、約327億円の改善となった。前年同期に約179億円の営業赤字を計上したホテル・レジャーセグメントが約4億円の営業赤字まで縮小し、前年同期比で約174億円回復した。
同セグメントをさらに細分化すると、行動制限の緩和による宿泊需要の増加により「ホテル」が同約57億円、コロナ禍でも需要のある旅行商品の開発、旅行業以外の業務受注を拡大したことで、「旅行」が同約105億円、「水族館」が同約12億円の回復となった。
この他、運輸セグメントは前年同期約54億円の営業赤字が約34億円の営業黒字へ、約88億円の改善となった。また近鉄エクスプレスの子会社化に伴う国際物流セグメントの新設で約20億円の営業利益が上積みされた。
同約348億円増の約506億円を計上した特別利益については、うち約475億円が「段階取得に係る差益」だ。これは近鉄エクスプレスについて、子会社化以前に保有していた株式を、子会社化した時点の時価で再評価する会計処理である。