「1日2時間から働く」を実現する仕組み
ケイリーパートナーズの従業員は現在16人。2019年の開業当初に同社の勉強会に参加し、理念に共感してくれた全員を採用した形で、短時間勤務からフルタイム、パラレルキャリアなど働き方はさまざまだ。当時から仕事量は5倍に増えているが、それでも回っている理由をひもといていきたい。
ポイントは大きく二つある。一つは、一部の現場業務を除き、85%の仕事をリモートで対応していること。もう一つは、一つの仕事を複数人でシェアし、一人当たりの負担を減らしていることだ。その上で、一人が3~5個の仕事を掛け持ち、特定の業務に偏らないスキルアップを目指している。同じ時間働くのでも、午前中は経理、午後はSNSやデザインといったように切り替えたほうが、集中力も生産性も上がり、おまけに自分の隠れた才能を発見しながら楽しく働けるのだそうだ。
在宅勤務中は、Google Meetをつないでコミュニケーションを取っている。調べたことはみんなで共有し、全員でスキルアップを図っているという。こうして絆を深めてきた16人は、どこか「今日はあの人に会いたいから会社に行こう」という感覚で出社しているという。
こうした働き方を実現するため、鷲谷さんは、従業員ひとりひとりに今の働き方は合っているか、スキルアップしたい領域はあるかなど短いスパンで何度もヒアリングし、仕事の割り振りやチーム組みに反映させてきた。
「私はこれがこの組織を持続可能にする肝だと思っています。チームで一つの仕事を成し遂げるには、メンバーが抱える課題や制約を知り、その人が一番力を発揮できる環境へと常にアップデートしていく必要があります。ですから、1on1は絶対に手を抜かないと決めているんです」