「一息半歩」でゆく
「1時間働いたら5分休憩」のすすめ

 禅僧の坐禅修行では約40分が1単位です。「一炷(いっちゅう)」と呼びます。

 いかに修行僧といえども、それだけの時間、足を組んでいますと、痺れますし、血行も悪くなります。

 そこで休憩ではないのですが、次の「一炷」をはじめるまでの5分くらいの間、「経行(きんひん)」という歩行禅を行ないます。曹洞宗では「一息半歩(いっそくはんぽ)」――「息を吐いて半歩、吸って半歩」の非常にゆっくりしたペースで歩くことに集中する行です。

 感覚的には、意識の緊張感を保ったまま、同じ姿勢を続けて固まってしまった体や足の緊張をほぐしてあげる感じでしょうか。いい具合に疲れが取れます。

 ビジネスパーソンのみなさんも、禅のこの考え方を取り入れてはいかがでしょうか。長時間労働ほど疲れるものはありませんから、1時間ほど仕事をしたら5分、休憩がてらちょっと体を動かすとよいかと思います。

 もちろん可能なら、禅の「一息半歩」にトライしてみてください。心身がリフレッシュされ、次の一時間をがんばる元気がわいてくるはずです。