カタール大会でベスト4に残ったチームは計7試合を戦った。これが次回大会を奇数で実施した場合、グループステージの2試合に決勝トーナメントの5試合を加えた最大試合数は同じになる。選手を輩出する各クラブからの批判をかわす狙いも、奇数制には込められていたはずだ。

カタール大会の思わぬ盛り上がりで
新たな収益面を見出し「再検討」に

 しかし、FIFAのトップ自らが「グループステージの実施方式を、再検討しなければいけない」とちゃぶ台をひっくり返した。カタールW杯のメインメディアセンターで行われた記者会見で、インファンティーノ会長は再検討する理由に対して次のように言及している。

「3チームずつ16グループに分かれるのか、あるいは4チームずつ12グループに分かれるのか。4チームが8つのグループに分かれたカタール大会のグループステージは、最終戦までスリリングで面白かった。非常に大きな成功を収めたと言わなければいけない。今大会が終わりに近づいているからこそ、どちらがいいのかを再検討すると、私はこの場で言わなければいけない」

 各グループの2試合が同日同時刻でキックオフされた最終戦は、さまざまなドラマを生み出した。

 グループEではスペインを逆転した日本が、ドイツ対コスタリカの展開を注視しながら逃げ切った。グループFはFIFAランキング2位のベルギーとスコアレスドローに持ち込んだクロアチアが、グループHではポルトガルに勝利した韓国がそれぞれ勝ち上がっている。

 7日に発表した中間総括で、インファンティーノ会長は平均観客数が5万人を、全世界のテレビ視聴者数が20億人を超えたグループステージを「W杯史上で最高」と高く評価した。特に最終戦が大きく注目された状況が、彼らのご都合主義をも呼び覚ましたのは容易に察しがつく。

 要は4チームずつ12グループに分けるグループステージも収益面で捨て難い、となったわけだ。