激動した出場演歌歌手数
2022年は6組、一方2000年は…?

 以下が氷河期世代である筆者から見た、2022年紅白の主だった特徴である。

・演歌が少ない。そして明るい
・ジャニーズは元気
・オーディション番組出身グループの活躍
・韓国女性アイドルグループの活躍
・郷ひろみが老けない

 まず、郷ひろみの老けなさであるが、今年67歳とのことで、ただただ驚嘆するばかりである。

 次に演歌(歌謡曲を含む)の少なさについてである。演歌の出場歌手を数えて昔と比べてみることにした。2022年に出場した演歌歌手は計6人(赤4白2。特別企画枠を除く)であった。なお、それとは別に純烈はムード歌謡コーラスグループに含まれていて、彼らをプラスすると合計7組になる。子どもの頃、祖父母宅でなんとなく見ていた紅白歌合戦は、もっと演歌が多かった記憶がある。

 2000年の紅白出場歌手に「歌謡曲および演歌」と称される歌手は31組いた。紅白全部で56組の出場であるから、半数を超える。少なくとも近年の紅白歌合戦において、演歌(歌謡曲を含む)は激減の傾向が認められる。
 
 減ったのと同時に、番組内での見せ方もだいぶ変わってきた印象である。昔は演歌をガッツリしっとり聞かせていたが、2022年の演歌はステージングなどからして全体的に明るい雰囲気であり、東京スカパラダイスオーケストラとコラボするなど、パーティー感があった。

 日本のソウルミュージックとして長きにわたってファンを楽しませてきた演歌であるが、令和においては存在感が薄まってきている。紅白歌合戦で若人が演歌に触れ何を感じたかは、のちの時代が示してくれるであろう。