賃金未払いが中国の国民を直撃
割を食うのは国民だ。医療従事者の中には、自分が感染してもなお長時間労働を強いられ、現場から逃亡を企てる者もいた。劣悪な条件で働き詰めにさせられ、しかも賃金は未払いという絶望の中で憤死した医療従事者もいた。隔離専門病棟に無料の弁当を運び入れた業者でさえも、「未払い状態」に泣き寝入りだ。
毎年春節シーズンを迎えると、中国では建設現場などで出稼ぎ労働者を中心に未払い賃金をめぐって、一騒動あるのが通例だが、今年は年末年始にかけてインターネット上で数々の“騒動”が取り上げられた。
湖北省では不動産大手・恒大集団の下請け業者が未払いの賃金を要求する集団抗議に出た。河南省の鄭州大学では、大学従業員が横断幕を掲げ3カ月の未払いの賃金請求を行った。同じ河南省鄭州市では、昨年末、賃金の未払いにキレた男性が掘削機を使って多くの車両をひっくり返す暴挙に出、直後、警察によって射殺されるという事件が起こった。
春節前といえば、稼いだお金で故郷の家族とだんらんするのを心待ちにする時期だが、ゼロコロナ政策のツケともいえる“白条”(回収不能の借用書)を手に、やりきれない日々を送る人々も少なくない。「白紙抗議の次は白条抗議か」と、新たな抗議活動の可能性をほのめかすツイートもある。