銀行ブームに振り回されないように

 冒頭でSBI新生銀行に触れたが、新生銀行はSBIグループになる以前にマネックス証券と包括的業務提携をし、投資信託などの投資商品を扱ってきた。しかし、SBIの冠が付いた以上、徐々にマネックス証券の存在感は小さくなっていくだろう。

 その代わりというわけではないだろうが、2022年12月27日にイオン銀行がマネックスとの業務提携を発表した。現在イオン銀行で投信を購入したり、NISA・つみたてNISAを利用している場合、その業務は2024年1月頃からマネックスに委託されることになる。さらに、イオンカードによるカード積み立て、たまったポイントを投信買い付け代金に充当できるサービスも構想しているという。

 イオン銀行は、イオンモール、イオンタウン利用者を中心に全国的にユーザーを抱えており、投資未経験者も多いだろう。イオンカードセレクトはクレジット・電子マネー一体型キャッシュカードのため、カード積み立てのために新たに作る必要もない。こちらでも、新NISA戦争が始まりそうで興味深い。

 この先、BaaSを使った異業種の変わり種銀行がどんどん生まれるだろうが、ユーザーはあまり目移りしないことだ。ポイ活の一環として自分がよく使うポイント目当てに口座を作るのは悪くはないが、増やせば増やすほど管理が面倒になる。

 むろん銀行口座を生活用・貯蓄用など、用途によって複数使い分けるのは正しい。その場合は、生活費用ならATMはどの程度無料で使えるか、貯蓄用なら預金金利、投資用なら証券口座との連携のしやすさ、ポイントプログラムの内容など、それぞれ優先順位を決めて使い分けるのがいい。ただし、お金をバラバラに分けすぎると、どれも残高が中途半端で大きく増えていかないものだ。1人につき口座は3つ、多くても4つまでにしておきたい。