続けることと、間違えることで英語は上達する

 ほとんどの日本人は、中学生(最近は小学生)から何年も、たくさんの時間をかけて英語を学ぶ。だが残念ながら、国際的に見て日本の英語力は高いと評価されていない。EF Education Firstのランキングでは、111カ国中80位と下位グループにいる。

 しかし多くの日本人は、コツコツ続けることにたけている。前述のようにDuolingoユーザーを国別に見ると、日本の学習者の連続記録は平均90日以上。これは世界一だ。水谷氏は、「1日15分から(Duolingoを)始めてみてほしい」と話す。データから、3日続くと1週間、2週間と続くとのこと。「最初の3日を乗り越えていただきたい。そのためには、毎日決まった時間にやるという習慣をつけるといいでしょう」。三日坊主にならなければ、90日も夢ではない。

 Duolingoはもう一つ、日本の学習者にメッセージを送っている。それが冒頭の、間違いを展示した美術館だ。

「間違いは重要です。我々のデータからも、間違う回数が多いほど学習効率が上がることが明らかになっています」と水谷氏は話す。どんどん話してどんどん間違えたほうが、英語(外国語)は上達するのだ。しかし水谷氏は「マーケットリサーチから、日本の語学学習者は他の国と比較して間違いを恐れている傾向が顕著ということが分かりました」と続ける。「この美術館で、間違いも楽しいとか、ClapとCrapで1文字違うと意味が変わる落とし穴のようなところに、面白さを感じてもらえれば」